東大合格発表2018 - 合格実績二巡目に入った都立一貫校

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※この記事の投稿日は3月31日です。

 一貫校には七年周期があります。ある年の合格実績を選択基準として入学した生徒が卒業するのが7年後だからです。ある年に合格実績が良ければ、優秀な生徒が集まり、7年後の躍進が期待でき、ある年に合格実績が悪ければ、優秀な生徒に敬遠され、7年後の不振を軽減するために学習指導を強化する必要があります。

  • 一巡目: 合格実績がないので学校のイメージだけで生徒集めをする必要がある。
  • 二巡目: 一巡目の合格実績を選択基準として生徒が集まる。

 都立一貫校は先鋒の白鴎が2011年に『白鴎ショック』を起こして、今年は二巡目の初年度にあたります。都立一貫校にとって好材料だったのは、受験生側から見て、白鴎の教育が期待通りであれば、他の都立一貫校も同様に期待できるということで、他の一貫校は自校の合格実績が出る前に、好印象の生徒募集が行えるようになったからです。6年前に予測記事を書きましたので改めて都立一貫校の一巡目を振り返ってみます。

【東大合格者数推移】

10 11 12 13 14 15 16 17 18
白鴎 5 3 5 5 1 5 0 6
桜修館 4 6 3 3 3 2 5
小石川 4 5 6 9 14 14 12
両国 3 5 3 4 2 4 3
(区九段) 0 2 1 2 0 2 0
立川国際 2 1 4 1 4
都立武蔵 3 4 11 6 13
大泉 1 6 2
富士 2 0 2
三鷹 1 2 2
南多摩 1 3 5
一貫計 5 14 23 23 24 44 40 54
一校平均 5.0 2.8 4.6 3.3 3.4 4.0 3.6 4.9
都立他 90 94 91 117 115 114 131 118 119
都立計 90 99 105 140 138 138 175 158 173
  • 一貫校には高入生の実績も含む
  • 都立他には一貫校の一期生より前の実績も含む
  • 都立計には区立九段も含む

 都立一貫校は2017年に前年割れをしましたが、それ以外は増加しています。2016年は校数も増えて前年より20人増えましたが、2018年は校数が同じで、前年より14人も増えました。一校平均でみると、校数が増えるたびに一旦平均値が下がるものの、しばらくたつと一校平均の東大合格者数も増えています。何よりも学校を増やせば増やすだけ優秀層が集まる状態です。
 特に白鴎は先鋒として二巡目に入ったわけですが、一貫化後で過去最高の6人を記録しています。おそらく他の学校も二巡目からは躍進してくるでしょう。小石川や都立武蔵は一巡目ですでに二桁合格校にまで成長しており、二巡目ではさらに存在感を高めてくるはずです。