都立復活の布陣 - 中教校への道

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 中等教育学校こそ、真の中高一貫校と言えるでしょう。高校募集は行いません。というか原則は禁止です。中学校卒業という概念もありません。校長は一人で組織は簡略化され、中学と高校のカリキュラムを柔軟に組み替えることができます。したがって、この種類の学校は高等学校と呼ぶことはできません。
 そのような制度の下になりたっているので、中等教育学校はほとんどが公立高校です。私立校の場合、現状で高校募集を行っていないくても、経営的な選択肢から高校募集が行えない中等教育学校を避ける傾向があります。
 2006年に、小石川、桜修館、九段が中等教育学校が設立されました。桜修館は都立大附属高校の施設内に、九段は区立学校に移管されました。いずれの学校も一期生が第四学年(=高校一年)に進級するとともに、施設管理側の高校は募集を停止し、一期生が第六学年にになると同時に高校側は廃校となります。もちろん、同窓会などは継続するのでしょうが、こういうドライな変革ができるのも公立だからこそです。この3校はすでに一期生が卒業しており、期待通りの大学合格実績を残しています。
 2008年に、北多摩高校の施設内に、立川国際中教が設立され、2010年に、南多摩高校と三鷹高校中等教育学校に移行しました。

  • 東大合格者数(累計,最大,在籍者数,合格者数),東早慶率,2013現在
校名 旧学区 累計 最大 在籍 合格 早慶
A 小石川 4 1731 82 13 5 16.03%
B 区立九段 1 402 28 2 2 7.43%
C 桜修館 2 304 29 10 6 12.34%
D 三鷹 10 13 1 1 2.20%
E 立川国際(北多摩) 8 0 0 0.76%
F 南多摩 7 3 1 0 0 1.72%


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 都立全盛時代から名門だった小石川、旧制市立高校で、学校群時代には日比谷と11群を組んだ九段、都立大学附属だった桜修館と、小石川を除けば、大胆に改革が可能だった学校です。でなければ、いくら公立高校でも中等教育学校に移行するにはそれなりの抵抗があたでしょう。したがって、多摩地区に設立された、三鷹、立川国際、南多摩などは進学校としては無名の学校が選ばれています。