都立復活の布陣 - 導入

スマホで表を見る場合、画面を横向きにし、必要ならPCビューにしてください。

 2013年に都立高校からの東大合格者数が140名になりました。これは、1993年の131名を超え、1992年の143名に匹敵する数値です。しかも、東大定員比や東京都全体に占める東大合格者数占有率では既に1992年水準を上回りました。

  • 都立高校からの東大合格者数推移(1992年〜2013年、区立も含む)
02← 01← 00← 99← 98← 97← 96← 95← 94← 93← 92←
64 67 60 71 64 81 69 94 111 131 143
80 56 73 74 89 74 65 90 99 105 140
→03 →04 →05 →06 →07 →08 →09 →10 →11 →12 →13
  • 都立高校改革の歩み
    • 2000年:公立中選択制実験導入
    • 2001年:進学指導重点校、日比谷、西、戸山、八王子東
    • 2003年:進学指導重点校、国立、立川、青山
    • 2003年:学区制廃止
    • 2003年:公立中選択制正式導入
    • 2005年:附属中学校、白鴎
    • 2006年:附属中学校、両国
    • 2006年:中等教育学校、小石川、桜修館(都立大附)、区立九段
    • 2007年:進学指導特別推進校、小山台、駒場、新宿、町田、国分寺
    • 2008年:附属中学校、武蔵
    • 2008年:中等教育学校、立川国際(北多摩)
    • 2010年:附属中学校、富士、大泉
    • 2010年:中等教育学校南多摩三鷹
    • 2010年:進学指導推進校、三田、豊多摩、竹早、北園、墨田川、城東、小松川、武蔵野北、小金井北、江北、江戸川、日野台、調布北
    • 2013年:進学指導特別推進校、国際

 これだけ中学受験が大衆化した現在、中学受験世代2世も増えています。以前のように公立中に回帰し都立高校に優秀な生徒が集まるかどうかはわかりません。しかし、制度や教育内容以前に、都立高校への追い風があります。それは不況です*1
 いくらいい私立中に行かせたくても、終身雇用、年功序列が破壊された今、親の世代が私立中高一貫出身でも子供にそのような教育を受けさせられるかは別問題です。ない袖は振れませんから、公立中を選択する人も増えるでしょう。私立一貫校がまた一部の富裕層だけに限定された学校に戻る時代も来るかもしれません。そうなると皮肉にも都立全盛時代がまた復活するでしょう。(中学受験産業関係者のみなさん、私立一貫校関係者のみなさん、今すぐ公立中のネガキャンはやめて、政府に終身雇用と年功序列の維持を訴えなさい。中学受験が非大衆化されて一番困るのはあなたちですよ。)
 この連載では、意図的か偶然か意外に練られていた都立校の布陣を紹介します。