閉鎖通学圏分析2012 - 東大合格者数編、東京私立

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 今回は、東京私立です。東京私立といっても国立大附属校も含みます。本来なら国立大附属校も区分けした分析をしてもいいのですが、例年この両者は区別していませんし、一部の私立関係者が、私立好調だったが、国立が足を引っ張ったという恩知らずの発言をしはじめたので、同一の区分にしています。恩知らずというのは、国立大附属中の実績をエサに受験生集めをしていたのに、国立の調子が悪くなって都立一貫の調子が良さそうだと感じたとたん、あれほど敵視していた都立一貫をあたかも昔から評価していたかのようなフリをしはじめたからです。どちらにしろ、中学受験にパラダイムシフトが起きているのは確かです。

都県・区分 2011 割合 2012 割合 増減
東京・私立 950 60.51% 958 58.56% -1.95%
合計 1570 1636

 東京私立は数こそ昨年から8名ほど増やしましたが、好調な他の区分と比較して2%近くも占有率を減らしてしまいました。

区分 増減 茨公 茨私 千公 千私 埼公 埼私 東公 東私 神公 神私
東私 -1.95 -0.21 -0.86 -0.28 -0.11 -0.49

 さて今年度の流出先です。流出先といっても、東京都の場合、膨大な数の優秀層を周辺県から取り込んでいるので、正確には、流入が細ったという意味です。今年は千葉県の私立勢が好調だったので、中学受験で千葉県からの流入が細ったのがまず一つです。そして、一都三県の公立高校から流入が細っているということは、高校受験で東京都の優位性が崩れはじめたことを意味します。(また周辺県私立からの流入も増えてないので、中学受験での優位性も高まっていません。)
 今年の受験生が中学生になったのは2006年で、これは中受ピークの前です。あと2年程度は中高一貫勢のほうが優位なのですが、既に東京都では退潮現象が出始めています。難関私立中を目指す受験生は影響は少ないですが、中堅以下の私立中を狙っている受験生は、慎重に学校選びをしたほうが良さそうです。特に周辺県の受験生にとって、地元の私立と比べて、通学時間の掛かる都内の私立は今後伸びるかどうかの見極めが大切です。