今回は、毎年−1.5名以上−0.5名未満の学校です。この位置の学校は過去10年間で減少傾向にありますが、激減というほどではありません。意外と所属する学校は多くありません。
まず、表ですが、前回、軽く名前だけを触れた江戸川取手も参考として載せました。江戸川取手、土浦第一−0.91、東葛飾−1.02と常磐線沿線の学校が私立公立に関係なく並んでいます。水戸第一が完全に首都圏の通学圏から独立しているのに対して、この3校は、首都圏の一貫校の影響を大きく受けます。過去10年以内の出来事で一番大きいのは、つくばエクスプレス(TX)*1の開業です。2005年8月24日の開業ですから、それを見越して都内の一貫校に進学した人も増えたと思われます。来年度からは入学時からTXを利用できた世代が卒業してきます。
伸び | 2012 | 最大 | 最小 | 東 | 神 | 他 | 校名 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
-0.46 | 10.5 | 20 | 5 | 茨◎ | 私・江戸川学園取手 | ||
伸び | 2012 | 最大 | 最小 | 東 | 神 | 他 | 校名 |
-0.51 | 49.6 | 64 | 38 | ○ | 私・駒場東邦 | ||
-0.58 | 66.4 | 80 | 59 | ● | 私・桜蔭 | ||
-0.62 | 0.0 | 10 | 0 | ◎ | 公・小石川 | ||
-0.72 | 164.7 | 190 | 138 | ○ | 私・開成 | ||
-0.91 | 21.4 | 33 | 16 | 茨◎ | 公・土浦第一 | ||
-1.02 | 1.4 | 16 | 4 | 千◎ | 公・東葛飾 |
次の4校は、全て都内の学校です。まず小石川−0.62について言及します。小石川は都立一貫校として完全中高一貫校化しました。今春の卒業生が高校で入学した最後の世代です。皮肉にも傾向分析では2012年の合格予測がちょうど0になっています。本当に、小石川の高入生は学校から見てもフェードアウト扱いだったようです。こういう点では、公立の冷淡さが垣間見えます。来春からは中高一貫生に合格実績をバトンタッチします。従来と変わった傾向が出てくるでしょう。
残りの3校は、駒場東邦−0.51、桜蔭−0.58、開成−0.72です。いずれも錚々たる2月1日単一募集校です。減少傾向にあるといっても、元々分母の大きい学校ですし、この位置で踏みとどまっていると判断すべきでしょう。特に、駒場東邦は2年前はこのまま東大合格20名台まで落ち込んでいくと見られたのですが、良く盛り返したと思います。