医学部コースについて 1 - 導入

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 以前、医学部指向が進学校に与える悪影響について指摘する記事を書こうと思ったのですが、過去4年間で30校程度のサンプルを取った結果『国公立大医学部が伸びている学校2011』では、確証のある批判材料は出てきませんでした。材料がそろうのは少なくとも過去10年のデータが集まった頃で、あと6年もブログを続けられるかは分かりません。確証がないのに批判を続けるのは良くないので、ここは、医学部コースについて管理的な見地から書いてみたいと思います。この程度であれば、自分が塾で教えていた経験、そして、自分が予備校時代に医学部コースに所属していた経験からある程度確証の持てる批判ができます。

 私が予備校のときに医学部コースに所属していたといっても、私が医学部を目指していたわけではありません。地方の予備校では、東大・京大コースでは最上位クラスの定員が埋まらないので、医学部コースという名前にして定員を埋めます。例えば、最上位クラスが100人の場合、東大・京大コースと名乗ると、予備校側は、所属している生徒には東大・京大もしくはそれに準ずる大学に入れる道義的責任がありますが、さすがに地方の予備校では東大・京大志望者だけでは100人も集まりません。一方、私の通っていた予備校は西日本にあるので、国立大医学部の定員が多く確保されています。そうなると、東大・京大には無理でも医学部なら合格できるという生徒も多いので、便宜上、医学部に絡めた名前にします。
 すでに私が大学受験してから20年以上たっているので、当時の状況とは違い、医学部はずっと難関になったのですが、相対的に西日本では医学部定員に余裕があり、東大・京大に到達しなくても狙える国立大医学部はそれなりに存在します。

 もちろん、私と同様に医学部に興味がない人も多かったのですが、医学部コースという看板があるので、医学部志望の予備校生も多数集まっていました。その意味では、医学部志望者が集まったときの独特の雰囲気も体感しています。

 自分が予備校生だったとき、大学のときに塾で教えていた経験、そして受験親仲間から断片的に入る各学校の医学部コースの情報を総合して、やっぱり医学部コースの管理に苦労するのはいつの時代も同じだと感じました。