仮面の取れた公立王国 - 導入

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※この記事の投稿日は3月19日です。

テレビ朝日系 木曜ドラマ「アイムホーム」オリジナル・サウンドトラック
 2016年は埼玉県の進学校史上特筆すべき年になりました。東大が1950年に新制大学になってからの入試で、浦和高校は常に埼玉県最多の合格数を続けてきました。その浦和高校が県下首位の座を明け渡す事態になりました。とはいっても浦和高校は東大22人の合格者を出しており、かろうじて20人以上は確保しています。2001年や2005年のように20人を割ったときよりは、状況はまだよいでしょう。浦和高校には県下の優駿が集まっており、依然として有力校であることには変わりありません。変わったのは郊外型私立共学校の時代が到来したという時代の流れです。
 埼玉県については以前「仮面の公立王国*1で取り上げました。当時から、仮面というのは偽りの顔で、実際は公立王国ではなく、私立王国でした。ただ、埼玉県の高校に限定すれば公立優勢だったので、一見気付かれなかっただけです。今も昔も、埼玉県からの東大合格者にとって、「中学受験→開成→東大」の流れは、「高校受験→浦和→東大」の流れよりも太く、埼玉県の優秀層は高校受験で浦和高校に行くのではなく、中学受験で東京都の開成中学に行くのが主流です。今年、初めて「中学受験→栄東→東大」の流れが、「高校受験→浦和→東大」の流れよりも太くなり、「仮面の公立王国」が「仮面の取れた公立王国=私立王国」という真の姿を現すことになります。
 県立高校の学区撤廃前夜の2006年から改めて進学校の伸張を振り返ってみます。