仮面の取れた公立王国 - 学区撤廃前後(2006-2008)

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※この記事の投稿日は3月19日です。

  • 主要校の東大合格者数
浦和 大宮 栄東 開智 公立 私立 県計 備考
2006 16 8 5 6 39 22 61
2007 33 7 1 3 49 20 69 西武文理(6)
2008 33 6 4 9 59 28 87 春日部(6)、川越(6)

 今では、毎年、県計で100人以上の合格者を出す埼玉県ですが、2006年当時では61人しか合格者がいません。
 県内人口700万人以上、全国で5位の都道府県ですから、東大合格者数が多いのは当たり前、2016年現在の100人強でさえ物足りないのに、当時は60人程度でした。県内最上位の浦和でさえ16人という状況です。惨状としかいいようがありません。お分かりのとおり、当時は東京都私立全盛のときで、県内に有力私立がない埼玉県は格好の優秀層の草刈場となり、都内私立に東大合格者数を献上していたわけです。
 高校募集のほうはさすがに何か手を打つ必要があると感じ、2004年に学区を撤廃しました。その卒業生が2007年で、浦和は33人の東大合格者を出して、ようやく県内で核となる進学校を確保したという状況です。ただ、初年度は浦和に優秀層を集中させることで達成したわけで、県計の東大合格者数は69人に留まり、さほど県全体では伸びを見せていません。
 2008年になると、川越、春日部などの公立男子校が復調を始め、私立も開智が9人の合格者を出して二桁一歩手前までに迫りました。県全体でも東大87人に伸び、優秀層の県内引止め効果も出てきました。