仮面の公立王国 2 - 浦和高校

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 先日、高校生クイズ選手権*1がありました。今年は残念ながら浦和高校はベスト8で敗退しました。ちょっと、マスコミが公立対私立の対決を演出しすぎた面があります。本来なら、そういう点ではなく、浦和が、最近の高校生クイズ選手権でも、開成に引けを取らない実績を残している王者であることを強調してほしかったです。
 さて、肝腎の大学合格実績を振り返ってみます。

校名 1970-2011 校名 1985-2011 校名 2007-2011
1 浦和 1812 浦和 1031 岡崎 187
2 千葉 1494 千葉 1021 浦和 161
3 湘南 1480 岡崎 791 旭丘 129
4 西 1371 土浦第一 686 日比谷 123
5 旭丘 1222 旭丘 680 土浦第一 123

 一番左が、学校群導入以後から今年度までの東大合格数を通算した公立高校上位5校、次が、グループ合同選抜以後の上位5校、一番右が、最近5年間の上位5校です。
 最近5年間では、首都圏私立勢の勢いに押されて、岡崎に首位を譲っていますが、首都圏では最上位の実績を誇っています。学校群導入以後、都立が不振に陥ってから常に公立高校を先導してきたのは浦和です。(詳細なデータでは、1991年以後、岡崎が全国首位を取っています。また、首都圏首位では、1986年〜1988年、1990年に千葉、1995年〜1997年に土浦第一、2010年に日比谷が、それぞれ首位を獲得しています。それ以外の期間はすべて浦和です。浦和は常に全国3位以内にいます。)
 それでは、この期間、埼玉県の教育行政は浦和を守るようなことをしてきたのでしょうか?答えは何もしていません。
 埼玉県は、1979年から2003年まで学区制を敷いていました。しかし、隣接学区からの受験枠が多いことで、学区の導入が浦和の進学実績を左右することはありませんでした。ただ、荒川越えは制限があり、埼玉県西部の川越市所沢市から、浦和を受験することは不可能でした。
 学区内から地区トップ校への受験機会を失った地域は、東京都私学の草刈場になりやすく、現在、埼玉県東部と西部で、深刻な進学校格差を生んでいるのは、これが遠因かもしれません。