※この記事の投稿日は3月21日です。
今年も大学合格実績の分析を始めますが、まだまだ合格実績が確定してないようなので、最初に「東大理三級理一志望者」の分析を始めます。これは、東大理一、理二受験者で、理三の合格最低点を上回った人数を推定するものです。今年は、理三と理一、理二の合格最高点が例年より乖離していることから、全科類で採点基準を統一したという噂があります。実は、過去において、科類ごとに採点基準が異なるのではないかという噂がありました。真相は不明ですが、今年の分析をしたところ、やはり、昨年以前は科類ごとに採点基準が異なっていたと判断せざるをえません。
まず、分析結果を紹介します。
標準 | 合格者 | 左の | 合格者 | 左の | 理三 | 左の | 理三 | |
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偏差 | 最低点 | 偏差値 | 平均点 | 偏差値 | 最低点 | 偏差値 | 合格数 | |
理一2018 | 45.0 | 319 | 52.3 | 352 | 59.5 | 392 | 68.2 | 94.5 |
理二2018 | 39.6 | 311 | 55.4 | 336 | 61.7 | 392 | 75.8 | 9.1 |
理三2018 | 43.5 | 392 | 56.7 | 418 | 62.7 | 392 | 56.7 | 98.0 |
理一、理二、理三の標準偏差は、それぞれ、45.0, 39.6, 43.5 です。それぞれの科類に合格するための、最低点とその偏差値を推定します。理一、理二、理三は、319(52.3), 311(55.4), 392(56.7)です。理三の合格最低点は392点です。理一、理二で、392点を取るために必要な偏差値を推定すると、68.2 と 75.8 です。正規分布表から各科類の受験者で該当偏差値を上回った人数を推定します。それぞれ、94人と 9人です。
理三 | 理一 | 理二 | 理三 | 理系 | 備考 | |
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最低点 | 理三級 | 理三級 | 合格数 | 理三級 | ||
2005 | 382 | 68 | 23 | 80 | 171 | 旧後期 |
2006 | 395 | 71 | 19 | 80 | 170 | ↓ |
2007 | 386 | 62 | 15 | 80 | 157 | ↓ |
2008 | 378 | 88 | 22 | 90 | 200 | 新後期 |
2009 | 380 | 110 | 44 | 98 | 252 | 定員増 |
2010 | 364 | 152 | 63 | 100 | 315 | ↓ |
2011 | 393 | 76 | 32 | 100 | 208 | ↓ |
2012 | 383 | 187 | 33 | 100 | 320 | ↓ |
2013 | 370 | 160 | 23 | 100 | 283 | ↓ |
2014 | 372 | 113 | 27 | 100 | 240 | ↓ |
2015 | 377 | 175 | 25 | 100 | 300 | ↓ |
2016 | 389 | 118 | 21 | 98 | 237 | 後期無 |
2017 | 408 | 137 | 26 | 98 | 261 | ↓ |
2018 | 392 | 94 | 9 | 98 | 201 | ↓ |
上記の表は、2005年から、理三合格最低点を上回った理一と理二の理三級合格者数を推定したものです。2018年は、理三の後期募集を廃止した2009年以来、もっとも理三と他科類が乖離した年となりました。
特に理二合格者で理三の合格最低点を上回ったのはわずか9人となっています。これは、理二から進振りで医学部医学科に進める10人を下回っています。いままでは理二から医学科に進むのは、理三に合格するより狭き門でしたが、今年は初めて理二から医学科に進むほうが広き門になりました。
一方、理一からは94人が理三の合格最低点を上回っています。例年よりは少ないものの、今年も理一の上位100人は理三に匹敵するほど優秀であるという法則は維持できたようです。優秀な受験生がすべて医学科を志望してしまうのは、日本の科学技術の発展にマイナスなのでこれはこれで良いことでしょう。本来なら、もっと増えてほしいものです。