※この記事は５月１０日に書いています。
東大相当合格数の定義を紹介します。
旧帝大調整数
地方で東大に相当する大学は旧帝大になります。しかし難易度の異なる大学の合格数を単純に合計しては進学校の評価になりません。大学ごとに重みを付ける必要があります。
旧帝大の合格数を各３０００名と仮定します。実際には約２２００名から約３５００名とばらつきがありますが、仮想モデルなので、３０００名に統一します。７つの旧帝大を偏差値や所在都市、後背地の人口を加味すると、次のように並べることができます。
- 東大＞京大＞阪大＞名大＞東北大＞九大＞北大
順序が前の大学合格者は、順序が後の大学にも合格できるものと仮定します。すると、東大に合格できるのが３０００名、京大に合格できるのが６０００名となり、同様に順番に計算していきます。最後に北大に合格できるのが２１０００名となります。このように考えると、京大の６０００名と東大の３０００名が等価となり、京大２名が東大１名に相当することになります。同様に、北大７名が東大１名に相当することになります。
| 大学名 | 東大 | 京大 | 阪大 | 名大 | 東北 | 九大 | 北大 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合格数 | 3108名 | 2907名 | 3433名 | 2238名 | 2607名 | 2756名 | 2674名 |
| 近似数 | 3000名 | 3000名 | 3000名 | 3000名 | 3000名 | 3000名 | 3000名 |
| 累積数 | 3000名 | 6000名 | 9000名 | 12000名 | 15000名 | 18000名 | 21000名 |
| 相当比 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
結果として旧帝大調整数は次の式になります。
- 旧帝大調整数＝京大÷２＋阪大÷３＋名大÷４＋東北大÷５＋九大÷６＋北大÷７
早慶調整数
中堅進学校にとって、地方旧帝大は二桁合格可能ですが、東大二桁合格はかなり挑戦的な目標になります。旧帝大調整数だけだと、東大以外の旧帝大を受験しない首都圏の中堅進学校が評価できなくなります。中堅進学校の評価精度を上げるために、東大合格圏の受験生が併願し、かつ中堅進学校でも二桁合格可能な早慶の合格数を調整用に採用します。
東大合格数を３０００名、早大合格数を１８０００名、慶大合格数を９０００名とします。実際には端数があり年度により増減しますが、仮想モデルなので、きりの良い数値に統一します。東大に合格可能なのが３０００名、早大の合格可能なのが１８０００名なので、東大１名に早大６名が相当することになります。同様に慶大３名が相当します。
| 大学名 | 東大 | 早大 | 慶大 |
|---|---|---|---|
| 合格数 | 3108 | 17370名 | 8558名 |
| 近似数 | 3000名 | 18000名 | 9000名 |
| 相当比 | 1 | 6 | 3 |
東大と早大、慶大は全て併願可能なので重複合格者がいます。評価指標に用いるには合算するのではなく平均する必要があります。東大と、早大を相当比で割ったもの、慶大を相当比で割ったものの３つの平均値を計算します。その平均値から東大の実合格者を引いたものを早慶調整数と定義します。
早慶調整数が０より小さい進学校は、東大合格数だけで十分評価可能なことを意味し、早慶調整数は不要になるので、値は０とします。（早慶調整数≧０）
医学科調整数
昨今は医師指向で医学科の偏差値が東大理系に匹敵するようになりました。ただし、東大理系よりも確実に偏差値が高いのは旧帝大医学科とそのほか数校の医学科に限られているようです。医学科の偏差値は年度ごとに変化しますし、仮想モデルなので、対象大学を旧帝大医学科に絞ります。そのほかの医学科の合格数は旧帝大医学科の合格数に比例するものとして指標には加えていません。
- 医学科調整数＝東大医＋京大医＋阪大医＋名大医＋東北大医＋九大医＋北大医
東大相当合格数
東大の合格数に３個の調整数を加えたものを東大相当合格数と定義します。
医学科調整数による合格数は、各旧帝大の合格数に含まれ二重計上されていますが、減算はせずボーナス点として扱います。旧帝医の合格数が多い進学校は他の国医の合格数も多いので、ボーナス点は他の国医の代わりです。
一橋、東工大、医歯大の扱い
旧帝大の難易度に匹敵する一橋大学、東京工業大学、東京医科歯科大学を指標に加えていないという疑問点ですが、一橋、東工大合格者は、早慶にも合格している可能性が高いことから、早慶調整数で評価可能なものとして、指標に加えていません。
また、医歯大医学科については、３名以上の合格者がいる学校は東大理３の合格者も多く、東大理３で評価可能です。一方、２名以下では加点そのものが小さく影響は限定的です。他の地方にも同様の位置づけの非旧帝医がありますので、公平を保つために医歯大医学科は指標に加えていません。
東大相当率
東大相当率は東大相当合格数を卒業生数で割ったものになります。
- 東大相当率＝東大相当合格数÷卒数
