中等教育学校、中教、進学校

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※この記事の投稿日は3月12日です。

 中等教育学校は、入学する側から見れば、完全中高一貫校と見なしていいのですが、法律上は、中学校でも高等学校でもなく中等教育学校となります。だから、卒業時は、高等学校卒ではなく、中等教育学校卒となります。実質上は高卒扱いと同等ですし、現状、日本の中等教育学校は大学進学を前提にしているところばかりなので、特に履歴書で悩むこともないでしょう。
 学校基本法の遵守を求められる公立校では、公立高校が附属中学校を併設しても、附属中学校では先取り教育は認められません。実質上は先取りもどきのことはやっているでしょうが、限度というものがあります。一方、中等教育学校では、高校の先取り教育が可能になります。だから、公立中高一貫教育の長所を最大限に引き出すには、公立校は、中等教育学校として設立することが増えてきました。
 実質、以前から中等教育学校と同等のカリキュラムを組んで先取り教育を行っていた既存の私立完全中高一貫校は、わざわざ、中学校、高等学校閉校、中等教育学校新設という法律的に面倒な作業を行う意味はないので、既存の体制のままです。
 新設の中高一貫校は私立であっても、中等教育学校として設立することが増えました。例えば、桐蔭中等教育学校(神奈川県)、海陽中等教育学校(愛知県)があります。もっとも、中等教育学校が、何らかの事情で高校募集を行いたい場合、法律上不可能なので、附属高等学校を作るか、一度閉校して、中学校と高等学校を新設してから募集する必要があります。
 何が言いたいかというと、中等教育学校というものが学校基本法で作られたために、大学合格実績の記事を書くときに、単純に「高校」からの合格数という表現が使えないので苦労していますということです。このブログでは中等教育学校を「中教」と呼び、大学進学と前提とした高等学校と中等教育学校をあわせて「進学校」と呼んでいます。

 中等教育学校の一覧は、紹介した wikipedia にありますが、その後、続々と設立されており、おそらく、現在の全一覧を把握するのは不可能でしょう。