東大理三級理一志望者 - 東大理三は難化しているのか易化しているのか(推定モデル)

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※この記事は10月13日に書いています。

 前回の記事*2で、とりあえず、理三合格点以上を得点した受験者数のシミュレーションモデルが使えそうなことがわかったので、エクセルから、Java プログラムに移植して、過去の実績も計算してみました。
 エクセルでは手入力だったので、丸め誤差や、誤入力があったのかもしれません。前回の結果と微妙に異なっています。

標準 合格者 左の 合格者 左の 理三 左の 理三
偏差 最低点 偏差値 平均点 偏差値 最低点 偏差値 合格数
理一2005 41.7 311 52.3 341 59.5 382 69.3 68.0
理一2006 41.7 325 52.3 355 59.5 395 69.1 71.7
理一2007 43.1 311 52.3 342 59.5 386 69.7 62.1
理一2008 38.9 315 52.3 345 59.5 378 68.5 88.8
理一2009 37.5 323 52.3 350 59.5 380 67.5 110.7
理一2010 41.7 307 52.3 337 59.5 364 66.0 152.0
理一2011 40.3 325 52.3 354 59.5 393 69.2 76.0
理一2012 39.0 334 52.3 362 59.5 383 64.9 187.9
理一2013 40.3 316 52.3 345 59.5 370 65.7 160.4
理一2014 43.1 307 52.3 338 59.5 372 67.4 113.1

 東大の足切り制度で、理一の二次試験受験者数は募集人員の2.5倍になっています。毎年、10人前後の受験辞退者がいますが、これは誤差の範囲内で、足切り倍率が2.5倍であるかぎり、合格者最低点の偏差値は52.3、合格者平均点の偏差値は59.5で一定です。

標準 合格者 左の 合格者 左の 理三 左の 理三
偏差 最低点 偏差値 平均点 偏差値 最低点 偏差値 合格数
理二2005 42.6 311 55.3 338 61.6 382 71.9 23.9
理二2006 41.2 323 55.4 349 61.7 395 72.8 19.1
理二2007 44.4 305 55.4 333 61.7 386 73.6 15.5
理二2008 39.7 310 55.4 335 61.7 378 72.6 22.4
理二2009 39.6 323 55.4 348 61.7 380 69.8 44.5
理二2010 44.3 307 55.3 335 61.7 364 68.2 63.3
理二2011 42.8 326 55.4 353 61.7 393 71.0 32.8
理二2012 40.6 318 55.0 344 61.4 383 71.0 33.0
理二2013 39.6 303 55.4 328 61.7 370 72.3 23.9
理二2014 38.0 310 55.4 334 61.7 372 71.7 27.9

 東大の足切り制度で、理二の二次試験受験者数は募集人員の3.5倍になっています。理一と同様に、毎年、10人前後の受験辞退者がいますが、これは誤差の範囲内で、足切り倍率が3.5倍であるかぎり、合格者最低点の偏差値は55.4、合格者平均点の偏差値は61.7に近い値になります。

標準 合格者 左の 合格者 左の 理三 左の 理三
偏差 最低点 偏差値 平均点 偏差値 最低点 偏差値 合格数
理三2005 51.4 382 56.5 413 62.5 382 56.5 80.0
理三2006 36.7 395 56.6 417 62.6 395 56.6 80.0
理三2007 46.7 386 56.6 414 62.6 386 56.6 80.0
理三2008 35.0 378 56.6 399 62.6 378 56.6 90.0
理三2009 39.9 380 56.6 404 62.6 380 56.6 98.0
理三2010 49.9 364 56.6 394 62.6 364 56.6 100.0
理三2011 40.0 393 56.6 417 62.6 393 56.6 100.0
理三2012 46.7 383 56.6 411 62.6 383 56.6 100.0
理三2013 43.3 370 56.6 396 62.6 370 56.6 100.0
理三2014 46.6 372 56.6 400 62.6 372 56.6 100.0

 東大の足切り制度で、理三の二次試験受験者数は募集人員の4倍になっています。毎年、10人前後の受験辞退者がいますが、これは誤差の範囲内で、足切り倍率が4倍であるかぎり、合格者最低点の偏差値は56.6合格者平均点の偏差値は62.6に近い値になります。

理三 理一 理二 理三 理系 備考
最低点 合格数 合格数 合格数 合格数
2005 382 68 23 80 171 旧後期
2006 395 71 19 80 170
2007 386 62 15 80 157
2008 378 88 22 90 200 新後期
2009 380 110 44 98 252 定員増
2010 364 152 63 100 315
2011 393 76 32 100 208
2012 383 187 33 100 320
2013 370 160 23 100 283
2014 372 113 27 100 240

 さて、上記の表は、東大理系受験者で、理三の合格最低点を上回った受験者の推定人数です。東大の場合、各科類で採点基準が異なるという話もありますが、この推定モデルでは、採点基準を同一とみなしています。
 まず、2005年〜2007年は旧後期試験の時代です。このころは、前期の募集人員が80名で非常に難化していました。理一の上位合格者数でも理三の合格点を上回る人数は、理三の募集人員を超えていません。理二にいたっては20名を割る状態です。
 2008年に新後期に移行して、理三の後期募集がなくなりました。その代わりに、募集人員90名すべてを前期募集に割り当てました。その結果、若干、易化しましたが、各科類の比率としては旧後期と変わりません。
 理三が劇的に易化したのは、定員増になり90名から100名(当初は98名募集)になったときです。2009年には、理一の上位合格者で、理三合格点を上回った受験者数が理三の募集人員を上回りました。理二からも40名以上です。2010年にいたっては、理一から152名、理二から63名です。特に理三の募集人員100名に対して、同じ生物系科類の理二が63名にまで迫ったので、理二の上位合格者にとっては、複雑な心境でしょう。進振りで理二から医学科進学枠は10名なので、受験時に理三合格点を上回った63名がそのままの席次を維持して医学科を志望しても、6名に1名しか希望が通りません。
 2011年は2010年の反動で、大幅に難化しました。これは例外的な特異年でしょう。2012年はまた易化していますが、今度は理一だけが数を増やしたので、最上位層の物理系指向が増えたのでしょう。2013年は2012年と同じ傾向、2014年は若干難化していますが、2009年と同じ傾向にあります。