東大合格発表2021 - 躍進した学校

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(2021/03/13)

 東大合格発表が行われ、徐々に学校別の合格者数が判明しています。未判明校もまだあり、判明した学校も暫定値ですが、今年の東大合格発表で慶事があった学校をまとめてみます。

初二桁合格

 神奈川県にある私立女子校で、いまは完全中高一貫校になっています。帰国子女の受け入れに熱心だったのと、東急田園都市線溝の口で交通の便が良いことから、徐々に実績を上げてきました。2016年に東大9人合格で二桁まであと一歩のところまでいって足踏みをしていましたが、ようやく一つの節目を越えたようです。

過去最多記録(最多タイも含む)

 東大二桁合格以上の学校に限定して紹介します。

 奈良県にある私立共学校です。中学募集と高校募集がありますが、それぞれ授業の進度が違うため、卒業まで完全別クラスで最適化された教育を行っています。奈良県でも大阪府から通いやすい場所にあります。首都圏でも入寮希望者のために中学受験を行っています。駿台東大実戦の受験者数から今年は躍進が予測されていました。数値シミュレーション上は最大80人まで予測されていましたが、常識的に考えて60人前後が妥当値だと思っていましたが、76人まで伸ばすとは驚きです。これは、関西の高校では灘を除き最多値です。また、西日本でも灘、ラサールに次ぐ最多記録です。

 神奈川県の県立高校です。高校募集だけの学校です。横浜駅から徒歩20分で、高校生であれば十分歩ける距離です。1970年代には20人前後の合格者がおり、1978年に27人を記録していますが、それ以後は都立と同じく長期的に低迷していました。2000年代にはいって、都立と同じく神奈川県も公立高校の建て直しを始めました。拠点となる公立高校を立て直したのですが、そのなかで、横浜翠嵐は神奈川県の中心地に位置しており、もっとも成長した高校です。2017年に34人で最多記録を出し、今年さらに記録を50人まで伸ばしました。高校募集だけの公立校でも躍進できることが証明されました。

  • 浅野、48人

 神奈川県の私立男子校です。現在は中学募集のみです。横浜市の臨海部にありますが、川崎市に隣接しています。神奈川県の男子校では三番手ですが、特に競争意識は感じられず、独自のペースで最多記録を伸ばしてきました。2007年に42人を記録したあと、2015年と2018年に40人超えをしています。

 茨城県の県立高校です。水戸という地名を知らない人はないと思うので場所は分かると思います。首都圏とは別の閉鎖通学圏*1を形成しています。閉鎖通学圏の中では最上位校の地位にあり、競合校との優秀層の奪い合いもありません。合格者増の理由として、今年は受験指導がうまくいったのだと思います。23人というのは、1964年、2000年に続き、三度目の最多タイです。

  • 市川、22人

 千葉県の私立共学校です。中学募集と高校募集があります。高校募集はそれほど多くなく、中学募集主体の学校です。千葉県の私立では二番手につけています。立地は、市川市で東京都に隣接しています。東京都区部の東側には著名な進学校がなく、都内からも通う価値のある学校です。何かと二番手で地味な存在でしたが、立地的にも偏差値帯も独自の地位を築ける学校です。いよいよ20人という節目を越えてきました。

  • 海陽、14人(最多タイ)

 愛知県の私立男子校です。中等教育学校であり、制度上、高校募集は存在しません。立地的には近隣に都会はなく、寮を前提に全国の受験生を対象にしています。何かと背反する評価もありますが、開校以来の実績はお墨付きです。初年度に13人を記録し、しばらく一桁台でしたが、ここ4年間で3回二桁合格を記録し、昨年の最多記録14人引き続き、今年も最多タイです。

  • 洗足、10人

 説明済みなので省略

増加数20人以上

 説明済みなので省略

  • 西大和、23人増

 説明済みなので省略

  • 日比谷、23人増

 東京都の都立高校です。高校募集しかありません。日本の中枢、千代田区にあり、多くの地下鉄路線によってアクセス可能です。日比谷高校を知らない人はいないと思いますが、学区合同選抜時代には東大合格者数全国一位を続けました。最盛期には200人近くまで合格者数を記録したことがあります。ただ、学校群以後長期低迷しており、1989年11人を最後に一桁合格を続けてきました。二桁合格に復帰したのは、2005年の14人です。それ以後、2007年28人、2010年37人、2016年53人、そして今年2021年63人と復活後の最多記録を短期間のうちに塗り替えてきました。