(2021/04/10)
今年は都立一貫校の卒業生が出てから11年目です。2011年に白鴎を先陣として、2016年までに併設型一貫校が5校、中等教育学校が6校が卒業生を出しています。
- 併設型一貫校の一期生
- 2011年: 白鴎
- 2012年: 両国
- 2014年: 都立武蔵
- 2016年: 大泉、富士
- 2021年~2022年: 高校募集廃止
- 中等教育学校の一期生
この中で東大二桁合格を達成したのは、小石川と都立武蔵です。小石川は2016年に二桁復帰をしたあとは、2021年まで6年間連続で、都立武蔵は、2015年と2017年に二桁突破をしています。2020年と2021年も9人なので、そのままの勢いを維持しています。それ以外の最高値は、桜修館が9人、大泉と白鴎と両国が6人、南多摩が5人を記録しています。
このように見ると、中等教育学校が伸びて、併設型一貫校が伸び悩んでいると単純には言えないようです。学校群前では、同等であった小石川と両国が、中教型と併設型に別れ、その明暗がそれぞれの代表例と見なされた面もあります。大泉、白鴎、都立武蔵を見ると併設型でもそれなりに健闘しています。ただ、併設型にはかっての名門校が多く、中教型には新興校が多いことから、期待度からみて、中教型が大きく伸びたという印象になります。ただし、併設型は高校受験では避けられる傾向があり、選択肢の多い東京都において、これ以上、高校受験を維持する役割もないでしょう。2022年までにすべて高校募集を停止して、2025年の卒業生からは完全中高一貫校体制になります。
次に、都立校からの東大合格者数の推移を紹介します。区立校も含めています。「中」が中等教育学校、「併」が併設型一貫校、「高」が完全高校募集校です。
年 | 計 | 中 | 併 | 高 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2010 | 90 | 0 | 0 | 90 | |
2011 | 99 | 0 | 5 | 94 | (*1) |
2012 | 105 | 8 | 6 | 91 | (*2) |
2013 | 140 | 13 | 10 | 117 | |
2014 | 138 | 12 | 12 | 114 | (*3) |
2015 | 138 | 15 | 16 | 107 | |
2016 | 175 | 23 | 16 | 136 | (*4) |
2017 | 158 | 24 | 23 | 111 | |
2018 | 173 | 28 | 21 | 124 | |
2019 | 171 | 32 | 19 | 120 | |
2020 | 153 | 28 | 27 | 98 | |
2021 | 189 | 33 | 20 | 136 |
都立一貫校以前は90人の合格者でした。2016年に175人にまで伸ばしてからは横ばいを続けましたが、今年は189人になり再度の躍進が期待できるかもしれません。都立一貫校は2017年からは50人前後の合格者を記録するようになりました。高校募集だけの都立高校も健闘していますが、徐々に一貫校の割合が高まっています。