※この記事は3月12日発売のサンデー毎日の情報に基づいて書いています。
いよいよ東京大学の合格が発表されました。個別の高校分析は後期入試の合格が発表され、資料が出そろってから始めたいと思います。まず、全体的な傾向を分析したいと思います。
- 震災の影響で西日本の東大忌避が起きたか?
- 都道府県別のランキングはどうなったか?
- 首都圏内で私立と公立の情勢はどうなったか?
- 首都圏内で中学受験と高校受験の勢力図はどうなったか?
- 首都圏内で地域の情勢はどうなったか?
最初に、地方別の東大合格者数を比較します。
地方 | 2011 | 2012 | 前年比 |
---|---|---|---|
全国 | 3048 | 2616 | 85.8% |
北海道 | 51 | 54 | 105.9% |
東北 | 79 | 72 | 91.1% |
北関東 | 112 | 86 | 76.8% |
南関東 | 1472 | 1318 | 89.5% |
北陸甲信 | 155 | 135 | 87.1% |
東海 | 272 | 230 | 84.6% |
関西 | 408 | 350 | 85.8% |
中国 | 160 | 118 | 73.8% |
四国 | 78 | 60 | 76.9% |
九州 | 259 | 193 | 74.5% |
まだ、前期合格の段階で、しかも未判明情報もあるので、全国の前年比は85.8%です。これを平均値として、この数値と比較することで東大指向が強まったか、東大忌避が起きているか分かります。
北海道は既に前年を上回っています。震災で大変な東北地方も91.1%と平均を上回り好調です。ただ、これには東大指向よりも、地元の東北大の設備や研究環境の悪化を懸念して、東大を目指した層も含まれます。
次に北関東ですが、76.8%と不振です。ただ、これは東大忌避とは別の原因で不振だったのでしょう。地元の南関東は、89.5%と平均を上回っています。しかも、未判明の有力校は多くが南関東の高校で、その意味でも、最終確定値は大きく前年を上回ると思われ、東大のローカル化が起きているのは確かです。
北陸甲信を見てみます。平均では若干上回っていますが、特に東大指向・東大忌避の傾向とは無縁でしょう。東海は若干減らしています。そして関西は現状維持です。最終的には若干下回るでしょう。
そして、中国・四国・九州が大きく減らしています。これは学力水準が低下しただけでは説明できません。首都圏の高校でも東大よりも京大の合格数が多いところが目につきます。やはり、今年は東大と京大の志望動向が例年とは違うようです。