※この記事は3月12日発売のサンデー毎日の情報に基づいて書いています。
前回、東大のローカル化について考えました。東大だけを見ていては全体像がつかめないので、このブログでは珍しく京大を扱うことにします。京大は後期日程がないので、不足している数値はすべて未判明分です。現在、判明率は88.9%です。前年度の総合格数と比較すると90.2%で、この数値を平均値とします。
地方 | 2011 | 2012 | 京大前年比 | (東大前年比) |
---|---|---|---|---|
全国 | 2920 | 2634 | = 90.2% | (= 85.8%) |
北海道 | 47 | 40 | ▼ 85.1% | (△105.9%) |
東北 | 36 | 30 | ▼ 83.3% | (△ 91.1%) |
北関東 | 43 | 48 | △111.6% | (▼ 76.8%) |
南関東 | 186 | 176 | △ 94.6% | (△ 89.5%) |
北陸甲信 | 252 | 225 | ▼ 89.3% | (△ 87.1%) |
東海 | 369 | 368 | △ 99.7% | (▼ 84.6%) |
関西 | 1632 | 1433 | ▼ 87.8% | (= 85.8%) |
中国 | 186 | 178 | △ 95.7% | (▼ 73.8%) |
四国 | 261 | 217 | ▼ 83.1% | (▼ 76.9%) |
九州 | 171 | 177 | △103.5% | (▼ 74.5%) |
東大で平均値を上回った地方は、北海道、東北、南関東、北陸甲信となっています。この中には東大の地元である南関東が含まれます。したがって、この時点で東大のローカル化が進んでいるといえます。
一方、京大で平均値を上回った地方は、北関東、南関東、東海、中国、九州で、まさに太平洋ベルト地帯で、都会を多く含んでいます。九州では既に前年を上回っていますし、東海も既に前年とほぼ同値になりました。そして、地元、関西は平均値以下になり、京大の地元比率が低下してきました。京大のグローバル化です。
京大で平均値を下回っているのは、地元以外では北海道、東北、北陸甲信、四国です。北陸甲信は下回ったといっても、平均値よりわずか0.9ポイントなので、前年並みでしょう。北海道、東北は絶対数も少なく地理的に遠いなど、全体的傾向をつかむには規模が小さすぎます。唯一、確実に不振といえるのは四国です。しかし、これも関西と同じで、今まで京大指向が強かったのが、太平洋ベルト地帯の大都市勢が京大にシフトしたことで、煽りを食って相対的に京大の合格数を減らしたのが実情だと思います。
- 京大合格者数都道府県別ランキング
位 | 都府県 | 2011 | 都府県 | 2012 |
---|---|---|---|---|
1 | 大阪 | 578 | 大阪 | 511 |
2 | 兵庫 | 357 | 京都 | 320 |
3 | 京都 | 331 | 兵庫 | 273 |
4 | 奈良 | 240 | 奈良 | 213 |
5 | 愛知 | 205 | 愛知 | 205 |
6 | 東京 | 94 | 東京 | 111 |
何と現時点では、東京都の増加数が17名と全都道府県で最高になっています。しかも、東京都の高校から京大に100名以上も合格しています。