国公立医学科特集2016 - 合格率平均以下で県外流出

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※この記事の投稿日は5月1日です。

  • 合格率、募集率は、100万人あたりの人数
都道府県 合格 募集 差分 人口 合格率 募集率
2 大阪 361 194 167 8838908 40.8 21.9
9 神奈川 172 87 85 9127323 18.8 9.5
14 埼玉 104 0 104 7261271 14.3 0.0
33 栃木 51 0 51 1974671 25.8 0.0
47 岩手 17 0 17 1279814 13.3 0.0

 今回は、100万人あたりの医学科合格者数が全国平均以下でなおかつ地区外流出がある地区です。まず、埼玉県と栃木県と岩手県は、県内に国公立大学医学科が存在しません。したがって、必ず県外流出になります。埼玉県は防衛医科大学校、栃木県は自治医大があるからという理由で設立が見送られました。首都圏という人口稠密地域で、このような理由で設立を見送ったのは疑問です。また、岩手県も私立大学医学部が既に設立されていたのが理由です。
 神奈川県と埼玉県と岩手県は、100万人あたりの合格者数が20人を割るなど、全国平均の3割程度の水準です。それでも神奈川県と埼玉県は、実際は東京都内の高校を経由して医学科へ進学していると考えられるので、居住者基準ではもっと多いと考えられます。ところが、岩手県の場合は、通学圏が県内で完結しているので、実際に低水準だと思われます。地方国公立大にありがちな地元枠も享受できず、他県で受験するしかありません。
 栃木県はそれよりも条件はいいですが、やはり隣県の茨城県群馬県に比べると不利です。自治医大があるといっても、僻地医療のために、負の地元枠があり、各県から何人という制限があります。栃木県にありながら、栃木県からの入学者数に上限があります。
 大阪府は、地区内に二つの国公立大学があり、なおかつ、周辺県への優秀層が流出していますが、もともと人口が多いので、現在の募集数では府内枠は不足しています。