東大前期日程合格発表動向2015 - 渋幕と渋渋の7年周期

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※この記事は3月15日に書いています。

 今年も東大前期合格発表も終わったのですが、一部の学校で躍進したり、一部の学校で不振になったりしました。やはり扱うべきは躍進校でしょう。この機会に最近躍進傾向にある渋谷幕張、渋谷渋谷、豊島岡、早稲田、開智、栄東について、過去の合格実績の伸びが、その後の実績に影響があるのか調べてみます。
 受験界には7年周期というのがありまして、例えば2008年の3月に大学合格実績をみて、志望校の参考にした受験生が受験をするのが2009年2月です。その6年後の2015年2月に大学受験を迎えます。したがって、今年の受験生は2008年の大学合格実績で学校選びをしています。
 今年躍進した学校は7年前に何か好材料があったはずだというのが7年周期の根拠です。このブログでも4年前に『7年周期2011*1』という連載を行いました。当時は手作業と目視で判断していのですが、あれから4年たち、手元の資料と、分析プログラムが充実してきましたので、改めて扱ってみます。
 今回の手法は、例えば、対象期間を7年間にしたとき、今年から7年前(2009年〜2015年)と更ににその7年前(2002年〜2008年)で「2002年と2009年」、「2003年と2010年」の組を順番に作り、どのぐらい相関があるか調べてみます。もし7年前の実績に影響されるのなら、7年前の合格数が多ければ、該当年の合格数も前後に比べて多くなり、7年前の合格数が少なければ、該当年の合格数も前後に比べて少なくなります。

  • 渋幕:対象期間東大合格者数の相関係数(2015年は前期合格分のみ)
周期 比較対象期間 相関係数
3年 2010年〜2012年 と 2013年〜2015年 +0.771
4年 2008年〜2011年 と 2012年〜2015年 -0.824
5年 2006年〜2010年 と 2011年〜2015年 +0.610
6年 2004年〜2009年 と 2010年〜2015年 -0.134
7年 2002年〜2008年 と 2009年〜2015年 +0.552
8年 2000年〜2007年 と 2008年〜2015年 +0.814
9年 1998年〜2006年 と 2007年〜2015年 +0.415

 渋幕の相関係数です。相関係数で多少なりとも意味があるは0.7以上です。まず、3年周期には相関が見られます。たった3年ですから、偶然の一致もあります。もし、渋幕が高校3年間で担任持上がり制を採用していれば、相関があるでしょう。高校によっては1年生のときの教科担当がそのまま3年生まで持上がる場合があります。その場合、指導力のある教師とそうでない教師で実績が影響を受けます。そうでなければ偶然の一致です。
 そして、一番、相関係数が高かったのが8年周期です。0.814はかなりの相関です。志望校を決めるのは5年生の3月では遅くて、4年生の3月なのかもしれません。逆に渋幕ぐらいの難関校では4年生の3月から強い思い入れをもって対策が必要なのかもしれません。

  • 渋渋:対象期間東大合格者数の相関係数(2015年は前期合格分のみ)
周期 比較対象期間 相関係数
3年 2010年〜2012年 と 2013年〜2015年 +0.697
4年 2008年〜2011年 と 2012年〜2015年 +0.792
5年 2006年〜2010年 と 2011年〜2015年 -0.208
6年 2004年〜2009年 と 2010年〜2015年 -0.075
7年 2002年〜2008年 と 2009年〜2015年 +0.410
8年 2000年〜2007年 と 2008年〜2015年 +0.903
9年 1998年〜2006年 と 2007年〜2015年 +0.730

 渋渋では4年周期に強い相関が見られます。ただし渋渋は高校募集をしていないので、これは偶然の一致でしょう。次に最も高いのが8年周期です。まさに姉妹校の渋幕と同じです。渋渋を目指すには、4年生の3月から対策を取る必要がありそうです。
 渋谷教育学園2校の場合、7年周期では強い相関が認められず、8年周期で相関が高くなりました。