東大二桁合格校列伝 - 導入

スマホで表を見る場合、画面を横向きにし、必要ならPCビューにしてください。

 そろそろ新連載を始めます。今回は長期連載になります。
 運動部に力を入れている学校にとって甲子園出場は一つの目標です。甲子園に出場すると、知名度も上がり、更に優秀な高校球児が集まってきます。野球部とは関係ない生徒も集まってきますし、在校生も愛校心が高まり、学校内外で正の循環が始まります。
 進学校でも同じことが言えます。そして、進学校で甲子園出場と同じ価値があるのは、東大に二桁合格(10人合格)を果たすことです。地区代表1校の甲子園とは違うので、間口は広いですが、それでも、優秀な生徒が限られた地方では二桁合格校は各県に1校あればいいほうです。
 また都会の新興校にとって初めての二桁合格は格別の意味を持ちます。東大合格者を一人出すのは、特待生制度がうまく機能したり、たまたま優秀な生徒がいたという理由で、どのような学校でもチャンスはあります。ところが東大合格者を10人出すのは学校の総合力が問われます。そして、一度二桁合格校を達成した学校は注目度が一気に高まり、優秀な生徒を集めやすくなります。そうやって急速に実績を伸ばした新興私立は多数あります。新興私立の関係者にとって、初の東大二桁合格を果たした夜は、万感の思いで祝杯を挙げる特別な夜になるでしょう。
 戦後、二桁合格を達成した高校は、日比谷を筆頭にして、今年の世田谷学園まで239校に上ります。しかし、そのうち121校が1970年以前からの名門校で、1971年以後の42年間では118校に過ぎません。平均すれば一年間に3校以下しか増えません。2000年以後では、わずかに16校。一年間に高々2校程度です。甲子園よりも狭き門になりつつあります。
 名門校への登竜門である東大二桁合格校を連載で紹介していきたいと思います。