今回は、毎年0.0名以上0.5名未満の学校です。10年間で変化が少なかった学校です。変化が少ないといっても、最大値と最小値が倍以上も違うのに長期的傾向で安定している学校が全体の半分もあります。
まず、注目すべきところは、女子学院0.33、白百合0.22、芝0.11、曉星0.05の4校です。この4校は、過去十年間で最大値と最小値が約2倍以上違います(女子学院が若干2を割る程度です)。それにも関わらず、この4校が横ばいなのは、『予言者達 - 41-50*1』で触れたセレブ校に分類されるからです。進学実績が短期間で上下に変動しても、志望者はあまり実績を気にしないので入学者のレベルが安定しているからです。少数ですがこのようなセレブ進学校も存在します。
伸び | 2012 | 最大 | 最小 | 東 | 神 | 他 | 校名 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
0.48 | 39.1 | 45 | 25 | ◎ | 国・筑波大附 | ||
0.42 | 12.8 | 16 | 5 | ◎ | 公・国立 | ||
0.33 | 28.2 | 37 | 19 | ● | 私・女子学院 | ||
0.22 | 9.9 | 13 | 6 | ● | 私・白百合学園 | ||
0.13 | 9.9 | 11 | 8 | ◎ | 公・湘南 | ||
0.11 | 8.2 | 12 | 2 | ○ | 私・芝 | ||
0.05 | 11.4 | 21 | 5 | ○ | 私・暁星 | ||
0.02 | 21.6 | 27 | 19 | 千◎ | 公・千葉 |
それ以外は全て国公立です。筑波大附0.48は、国立大附という費用対効果の良さと、中入生から高校への内部進学率が80%という、実質上、中高一貫校に近い体制で、都立復権の大波をかわしています。国立(くにたち)0.42は、日比谷、西と同じく都立重点校*2です。日比谷、西が急速に優秀な生徒を集めているのと違い、国立(くにたち)は動きが鈍いようです。多摩地区自体の動きが鈍いのと、中央線から都心への流出も増え、国立(くにたち)自体は微増に留まっているのでしょう。
残りは、湘南0.13と千葉0.02です。それぞれ、神奈川県、千葉県の公立旗艦校です。公教育改革の効果がでると真っ先に実績として成果が現れるべき学校ですが、動きが鈍いようです。千葉高校の場合は、中入生一期生が出るまで評価を据え置きですが、神奈川県、千葉県全体の公教育改革の成果は今一つです。一都三県の公教育改革について途中経過の評価は改めて記事にする必要性を感じています。