埼玉県の高校入試では難関附属3校が有名です。慶應義塾志木と早大本庄学院と立教新座です。難関にふさわしく上位にランクしています。ここでは、立教新座の数値を外部受験だけに限定したものを示しています。以前から、東大早慶合格率の問題点として、早慶以外の附属校が正しく評価されないという指摘があります。特にMARCHの附属校の場合、内部進学権を放棄して、国立大や早慶に挑戦するか、そのまま系列大学に進むか難しい決断を迫られます。東大早慶合格率の数値は、MARCHを対象外にしていますので、これらの附属校からの外部受験実績が過少に評価されています。今回、立教新座で初めて、外部受験のみの東大早慶合格率を出す試みをしてみました。意外と実態に即した数値が出たので、今後余力があれば、他の大学附属校にも対象を広げてみたいと思います。
位 | 東早慶率 | 校名 | 中 | 高 | 東早慶率 | 校名 | 偏差値 | 高 | |
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1 | 32.79% | 慶應義塾志木 | ○ | 23.80% | 県立浦和 | 70.1 | ○ | ||
2 | 20.28% | 開智一貫部 | ◎ | ||||||
3 | 18.36% | 立教新座(外部) | ○ | ○ | |||||
4 | 16.56% | 早大本庄学院 | ◎ | ||||||
5 | 16.39% | 浦和明の星女子 | ● | ||||||
6 | 16.35% | 栄東 | ◎ | ◎ | 16.30% | 大宮 | 69.5 | ◎ |
附属3校を除くと、浦和高校と大宮高校の間に来るのは、開智一貫、浦和明の星、栄東の3校です。いずれも、中学受験では、御三家の併願校して選ばれる1月校です。残念ながら、栄東は、中入生と高入生の実績を分けて公開していません。常識的に考えると、中入生のほうが高入生より実績がいいことから、栄東中入生>大宮>栄東高入生の関係になると推測できます。これは、浦和高校や大宮高校に匹敵する実績を出すには、中学受験からでないと難しいということを意味します。
位 | 東早慶率 | 校名 | 中 | 高 | 東早慶率 | 校名 | 偏差値 | 高 |
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13.95% | 川越 | 67.6 | ○ | |||||
8.70% | 浦和一女 | 68.7 | ● | |||||
7.67% | 春日部 | 66.9 | ○ | |||||
7 | 5.95% | 城北埼玉 | ○ | ○ | ||||
8 | 4.96% | 開智高等部 | ◎ | |||||
9 | 4.41% | 西武学園文理 | ◎ | ◎ | 4.38% | 川越女子 | 66.5 | ● |
10 | 4.38% | 春日部共栄(一貫) | ◎ | 4.32% | 熊谷 | 64.7 | ○ |
それ以下のランクでは、大宮高校から春日部高校までは県立が並び、ようやく、城北埼玉から北辰偏差値66に匹敵する実績を出しはじめます。城北埼玉は、学校ホームページで中入生と高入生の実績を区別して開示していますが、残念ながら、分母に当たる生徒数の開示がないので、東早慶率を分けて表示することができません。ちょっと、情報開示としては、不十分でした。
次は、開智高等部です。実績が公開されている高校募集の学校では、早慶附属校を除けば最高位につけています。その次は西武文理ですが、ここも本来は、中入生と高入生を分けた資料があれば、踏み込んだ分析が可能なのですが、残念ながら公開されていません。断片的に入手した2010年度のデータ*1では、中入生も高入生も似たような東早慶率を出しています。
最後は春日部共栄の一貫コースです。川越女子や熊谷に相当する実績を出しています。春日部共栄は、中学受験偏差値では50を超えていないのですが、それでも、県立四天王*2と同等の実績を上げているので、ゆとり教育による公立中3年間の遅れは四天王の実績にも暗い影を落としています。中学受験で平均を若干下回る学力でも、県立トップ高校と同等の大学を目指すことができます。公立中から県立四天王に入る困難さを考えると、中学受験で中堅私立に進学しても十分な見返りはあります。
*2:浦和、熊谷、川越、春日部の男子校4校