国公立医学部2018 - 偏差値70

※この記事の作成日は4月29日です。

 今回は偏差値70の名大医学科と九大医学科を紹介します。偏差値70は偏差値68の東大理一基準だと、難関係数は1.58になります。

  • 難関係数=基準校出現率÷対象校出現率
  • 合格調整数=Σ(対象校合格数×難関係数)
  • 合格調整率=合格調整数÷卒数

名古屋大学医学部医学科上位10校

調整率 校名
1 13.38% ◎東海
2 2.68% △金沢大付
3 2.39% 岡崎
4 2.32% ◎南山
5 2.07% 旭丘
6 1.65% ◎滝
7 1.58% 岐阜
8 1.50% 時習館
9 1.50% ◎海陽
10 1.40% 済美平成

 首位の東海高校が2位以下に大きな差をつけています。しかも、10校中8校が東海地方の高校です。岡崎3位、南山4位、旭丘5位、滝6位、岐阜7位、時習館8位、海陽9位です。東海地方以外では、2位が北陸地方の金沢大学附属です。10位に四国地方済美平成がきています。

九州大学医学部医学科上位10校

調整率 校名
1 16.20% ◎久留米大付設
2 9.83% 鹿 ラ・サール
3 4.81% 明治学園
4 4.43% ◎青雲
5 2.69% ◎愛光
6 2.36% 福岡
7 2.02% ◎明光学園
8 2.00% 小倉
9 1.98% 修猷館
10 1.80% 筑紫丘

 久留米大附設が1位で、ラ・サールが2位です。上位10校中9校が九州地方の高校です。明治学園3位、青雲4位、福岡6位、明光7位、小倉8位、修猷館9位、筑紫丘10位です。唯一四国地方から、愛光が5位になっています。

偏差値70以上の調整率上位20校

 前回の偏差値71以上の調整率に今回の名大と九大を加えた順位を紹介します。名大、九大とも関東や関西からそれほど志望する大学でないので、東海地方と九州地方の高校が大きく順位を上げてきました。

調整率 78 77 73 71 70 校名 位(≧71)
1 224.10% 96.3 104.1 22.9 0.7 ◎灘 1
2 156.26% 147.6 8.7 △筑波大付駒場 2
3 65.77% 48.7 4.5 1.5 10.4 0.7 桜蔭 3
4 63.86% 54.3 9.6 東大寺学園 4
5 46.10% 35.3 5.2 5.6 ◎開成 5
6 43.81% 6.1 29.0 7.9 0.4 0.3 ◎洛南 6
7 40.53% 26.7 13.8 甲陽学院 7
8 35.22% 12.5 9.2 3.0 10.5 鹿 ラ・サール 11△
9 31.96% 6.6 9.8 0.8 1.4 13.4 ◎東海 14△
10 29.61% 29.6 ◎片山学園 8▼

 順位を上げたのがラ・サールと東海でどちらも上位10校に入ってきて、それぞれ、8位と9位です。また、久留米大附設が前回の20位圏外からいきなり11位に飛び込んできました。

調整率 78 77 73 71 70 校名 位(≧71)
11 29.37% 7.2 5.2 17.0 ◎久留米大付設 △△
12 26.02% 24.4 1.6 洛星 9▼
13 25.91% 24.4 0.9 0.7 聖光学院 10▼
14 22.58% 15.8 6.8 大阪星光学院 12▼
15 20.91% 16.3 4.7 栄光学園 13▼
16 18.50% 18.5 ◎麻布 15▼
17 17.33% 6.3 9.3 1.8 ◎女子学院 16▼
18 17.31% 7.0 10.3 △広島大付福山 17▼
19 17.08% 11.4 2.7 1.6 1.3 ◎北嶺 18▼
20 14.47% 12.3 1.3 0.8 智弁和歌山 19▼

更新履歴

  • 2018/05/13: 総合順位表の表示形式を変更

国公立医学部2018 - 偏差値73、偏差値71

※この記事の作成日は4月29日です。

 今回は、偏差値73の阪大医学科と偏差値71の医歯大医学科を紹介します。偏差値68の東大理一の出現率を基準とすると、阪大医学科の難関係数は3.35、医歯大医学科の難関係数は2.01になります。いずれも東大理一よりは狭き門ですが、東大理三や京大医学科と比べて圧倒的に門が狭いわけではありません。

  • 難関係数=基準校出現率÷対象校出現率
  • 合格調整数=Σ(対象校合格数×難関係数)
  • 合格調整率=合格調整数÷卒数

大阪大学医学部医学科上位10校

調整率 校名
1 22.95% ◎灘
2 13.82% 甲陽学院
3 9.57% 東大寺学園
4 7.94% ◎洛南
5 6.80% 大阪星光学院
6 5.15% ◎久留米大付設
7 4.04% 百合学院
8 3.60% ◎白陵
9 3.53% ◎小林聖心女子学院
10 2.99% 奈良学園登美ヶ丘

 阪大医学科は、灘が首位です。上位10校のうち9校が関西地方です。甲陽2位、東大寺3位、洛南4位、大阪星光5位、百合学園7位、白陵8位、小林聖心女子9位、奈良登美ヶ丘10位です。残りの1校は九州地方の久留米大附設が6位です。

東京医科歯科大学医学部医学科上位10校

調整率 校名
1 10.45% 桜蔭
2 8.69% △筑波大付駒場
3 5.56% ◎開成
4 4.65% 栄光学園
5 3.14% ◎海城
6 3.01% 学芸大
7 2.61% 村上中教
8 2.45% ◎暁星
9 2.33% 豊島岡女子学園
10 2.29% ◎雙葉

 一方、医歯大医学科は関東勢が上位10校のうち9校を占めています。桜蔭1位、筑波駒場2位、開成3位、栄光4位、海城5位、学芸大附属6位、暁星8位、豊島岡9位、雙葉10位です。残りの1校は新潟県の公立中等教育学校の村上中教が7位です。

偏差値71以上の調整率上位20校

 前回の偏差値77以上の調整率に今回の阪大と医歯大を加えた順位を紹介します。阪大が関西地方の高校の調整率に加算され、医歯大が関東地方の調整率に加算されるので、順位の変動で東西に大きな偏りはありません。

調整率 78 77 73 71 校名 位(≧77)
1 223.37% 96.3 104.1 22.9 ◎灘 1
2 156.26% 147.6 8.7 △筑波大付駒場 2
3 65.09% 48.7 4.5 1.5 10.4 桜蔭 4△
4 63.86% 54.3 9.6 東大寺学園 3▼
5 46.10% 35.3 5.2 5.6 ◎開成 5
6 43.47% 6.1 29.0 7.9 0.4 ◎洛南 6
7 40.53% 26.7 13.8 甲陽学院 8△
8 29.61% 29.6 ◎片山学園 7▼
9 26.02% 24.4 1.6 洛星 9
10 25.22% 24.4 0.9 聖光学院 10

 上昇したのが、桜蔭、甲陽、大阪星光、栄光、女子学院です。下降したのが、東大寺、片山学園、麻布、広島大福山、白百合です。20位以内に登場したのが、北嶺です。

調整率 78 77 73 71 校名 位(≧77)
11 24.69% 12.5 9.2 3.0 鹿 ラ・サール 11
12 22.58% 15.8 6.8 大阪星光学院 16△
13 20.91% 16.3 4.7 栄光学園 15△
14 18.58% 6.6 9.8 0.8 1.4 ◎東海 14
15 18.50% 18.5 ◎麻布 12▼
16 17.33% 6.3 9.3 1.8 ◎女子学院 17△
17 17.31% 7.0 10.3 △広島大付福山 13▼
18 15.79% 11.4 2.7 1.6 ◎北嶺 △△
19 14.47% 12.3 1.3 0.8 智弁和歌山 20△
20 14.28% 8.2 6.1 白百合学園 18▼

更新履歴

  • 2018/05/13: 総合順位表の表示形式を変更

国公立医学部2018 - 偏差値78、偏差値77

※この記事の作成日は4月29日です。

 まず、最初に偏差値78の東大理三と偏差値77の京大医学科を紹介します。偏差値68の東大理一の出現率を基準とすると、東大理三の難関係数は14.06で、京大医学科の難関係数は10.36 となります。どちらも東大理一に比べて桁違いの狭き門になります。

  • 難関係数=基準校出現率÷対象校出現率
  • 合格調整数=Σ(対象校合格数×難関係数)
  • 合格調整率=合格調整数÷卒数

東京大学理科三類上位10校

調整率 校名
1 147.57% △筑波大付駒場
2 96.32% ◎灘
3 48.70% 桜蔭
4 35.33% ◎開成
5 29.61% ◎片山学園
6 24.35% 聖光学院
7 18.50% ◎麻布
8 16.26% 栄光学園
9 12.50% 鹿 ラ・サール
10 11.43% ◎北嶺

 首位は筑波駒場で2位は灘です。筑波駒場は調整率がすでに100%を超えてしまい、卒数全員が理一に合格することを上回る調整率を出しています。灘もほぼ100%です。3位以下は首都圏が5校登場します。桜蔭3位、開成4位、聖光6位、麻布7位、栄光8位となっています。
 それ以外は、北陸の片山学園が5位、九州のラサールが9位、北海道の北嶺が10位となっています。

京都大学医学部医学科10校

調整率 校名
1 104.11% ◎灘
2 54.28% 東大寺学園
3 29.04% ◎洛南
4 26.71% 甲陽学院
5 24.44% 洛星
6 15.78% 大阪星光学院
7 14.20% 芦屋国際
8 12.34% 智弁和歌山
9 10.31% △広島大付福山
10 9.75% ◎東海

 灘が1位で、京大医学科で調整率100%を超えてしまいました。2位以下も関西勢が圧倒的に強く、東大寺2位、洛南3位、甲陽4位、洛星5位、大阪星光6位です。7位に公立中等教育学校の芦屋国際がきました。智弁和歌山が8位です。9位に中国地方の広島大付属福山、10位に東海地方の東海が来ています。

偏差値77以上の調整率上位20校

 偏差値77以上の医学科の合格数の難関係数を掛けたものを合計した順位を紹介します。

調整率 78 77 校名
1 200.43% 96.3 104.1 ◎灘
2 147.57% 147.6 △筑波大付駒場
3 54.28% 54.3 東大寺学園
4 53.19% 48.7 4.5 桜蔭
5 40.54% 35.3 5.2 ◎開成
6 35.10% 6.1 29.0 ◎洛南
7 29.61% 29.6 ◎片山学園
8 26.71% 26.7 甲陽学院
9 24.44% 24.4 洛星
10 24.35% 24.4 聖光学院

 調整率ですでに100%を上回った灘が1位で、筑波駒場が2位です。関東では桜蔭4位、開成5位、聖光10位、麻生12位、栄光15位、女子学院17位、白百合18位です。関西では、東大寺3位、洛南6位、甲陽8位、洛星9位、大阪成功16位、芦屋国際19位、智弁和歌山20位です。そのほかの地方では、北陸地方の片山学園6位、九州地方のラサールが11位、中国の広島大付属福山が13位、東海地方の東海が14位です。

調整率 78 77 校名
11 21.71% 12.5 9.2 鹿 ラ・サール
12 18.50% 18.5 ◎麻布
13 17.31% 7.0 10.3 △広島大付福山
14 16.37% 6.6 9.8 ◎東海
15 16.26% 16.3 栄光学園
16 15.78% 15.8 大阪星光学院
17 15.53% 6.3 9.3 ◎女子学院
18 14.28% 8.2 6.1 白百合学園
19 14.20% 14.2 芦屋国際
20 12.34% 12.3 智弁和歌山

更新履歴

  • 2018/05/13: 総合順位表の表示形式を変更

国公立医学部2018 - 難関係数

※この記事の作成日は4月22日です。

週刊朝日 2018年 4/27 号【表紙:櫻井翔】 [雑誌]

 今年は国公立医学部の合格実績を分析します。よく週刊誌では国公立医学部合格数で順位付けをしますが、偏差値78の医学部と偏差値61の医学部を同じ扱いにすることに違和感を感じる人も多いと思います。
 もちろん、医者になるという目的の人からみれば、偏差値78の医学部であろうが、偏差値61の医学部であろうが、医師国家試験に合格すれば、同じ医師なので余計なお世話かもしれません。それに入学時の偏差値と医師国家試験の合格率には全く相関がないどころか、弱い負の相関があるぐらいです。偏差値78の医学部に合格して、医師になるのは、無駄な努力という話になります。
 さて、話を本筋に戻します、同じ扱いにしないということは大学ごとに合格数に重みをつけるということです。重みの選び方で結構もめますが、このブログではかなり早い段階で結論が出ています。たとえば、偏差値78以上の人に出会う確率は標準正規分布表から0.26%です。一方、偏差値68以上の人に出会う確率は3.59%です。偏差値78以上の人は偏差値68以上の人よりも、3.59÷0.26=13.81倍も出会うのが難しいのです。これを難関係数と定義します。
 実際、偏差値78は東大理三の偏差値で、偏差値68は東大理一の偏差値です。東大理一に合格できる人のうちで、13.81人に一人しか東大理三に合格できないという意味です。今回は偏差値は難関度の順位付けだけでなく、出現分布にも使用しますので、上位層の偏差値幅を詳細に区別できる模試が必要です。そこで、駿台模試の値を使用します。

偏差値 出現率 難関係数 大学
78 0.26% 14.06 東京大理三
77 0.35% 10.36 京都大医
73 1.07% 3.35 大阪大医
71 1.79% 2.01 東京医科歯科大医
70 2.28% 1.58 名古屋大医
九州大医
69 2.87% 1.25 東北大医
千葉大
68 3.59% 1.00 (東京大理一)
山梨大医
京都府立医科大医
大阪市立大医
神戸大医
広島大医
67 4.64% 0.81 北海道大医
筑波大医
横浜市立大医
金沢大医
奈良県立医科大医
岡山大医
66 5.48% 0.66 名古屋市立大医
三重大医
長崎大医
65 6.68% 0.54 札幌医科大医
新潟大医
岐阜大医
滋賀医科大医
和歌山県立医科大医
山口大医
熊本大医
64 8.08% 0.44 富山大医
信州大医
浜松医科大医
63 9.68% 0.37 群馬大医
徳島大医
香川大医
高知大医
鹿児島大医
62 11.51% 0.31 弘前大医
福井大医
鳥取大医
愛媛大医
大分大医
宮崎大医
61 13.57% 0.26 旭川医科大医
秋田大医
山形大医
福島県立医科大医
島根大医
佐賀大医
琉球大医
  • 難関係数=基準校出現率÷対象校出現率
  • 合格調整数=Σ(対象校合格数×難関係数)
  • 合格調整率=合格調整数÷卒数