東大前期日程合格発表動向2013 - 必然事象と偶然事象 - 逗子開成より

スマホで表を見る場合、画面を横向きにし、必要ならPCビューにしてください。

※この記事は3月17日に書いています。

 今後首都圏に起きる必然事象は「都立復活」と「学住近接」であることは間違いありません。今後、この方向に向かって進学校の盛衰と再編が起きるでしょう。といっても個々の学校は個別に努力を重ねています。流れに沿った学校のほうが楽に成果を上げられるとしても、流れに沿っていなくても努力を続ける学校があります。奇しくも、伝統校でありながら、どちらかという地味な存在であった2校が二桁合格校として今年新規に加わりました。逗子開成』と『鴎友学園女子』とです。
 まず、逗子開成ですが、Wikipedia を参照すると、非常に歴史のある学校で荒川区にある開成と関係のある学校です。過去において、事故や終戦などで不遇の時期も多く、中学募集を開始・停止、高校募集を開始・停止するなど教育方針が定まりません。現在の中学受験の歴史は1986年に募集を再開したときから始まるでしょう。逗子開成の過去の東大合格者数を中高一貫生一期生の卒業年度1992年から7年周期で振り返ってみます。

+0年 +1年 +2年 +3年 +4年 +5年 +6年
1992年 0 1 0 0 1 0 1
1999年 4 0 1 0 1 1 2
2006年 6 6 7 4 4 4 4
2013年 14

 8年目に4名の合格者を出していますが、14年目までは東大に毎年複数名合格者を出す高校ではありませんでした。ただ、伝統校であり、神奈川県という私立成熟地区だったので、いい意味で期待されていなかったのでしょう。失望と幻滅もなかったのでしょう。(この点、期待が実績より先行して、結果的に失望感を招く埼玉県、千葉県の新興私立とは違います。)逗子開成躍進のきっかけは、2006年に6名の合格者を出したことでしょう。その後、一旦、4名合格を4年間続けて、若干後退しましたが、それでも失望感を招くような結果ではありません。2006年から2012年までの7年間を及第点で過ごしました。逗子開成の入学時偏差値が急進したのは2006年頃からであり、おそらくこの二桁のペースを維持するでしょう。このように期待感と実態が近い状況のほうが、失望感を招くこともなく、長期的には良い結果に結びつきます。