東大早慶調整率2015全国版 - 導入

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※この記事は11月22日に書いています。

 東大早慶調整率は、主に首都圏を対象にした指標です。今回はあえて全国の進学校も同一指標で評価して、どの程度の位置づけになるのかまとめてみます。
 実際のところ、東大、早大、慶大の三大学だけで評価されると、どうしても地方の進学校が不利になります。それらの学校に自宅から通学できる地区と転居が必要になる地区とでは志望動向が異なるからです。模試の判定等で東大合格が確実だったり有望だったりする受験生は影響を受けません。ところが、模試の判定等で、東大合格の可能性があるが、決して有望でない受験生は大いに影響を受けます。
 まず、自宅から通学できない地方の受験生は、東大を受験した時点で、他の国立大学への挑戦権はなくなります。(後期で他の大学を志望するという選択しもありますが、後期の募集人員は少なく、学部も限られます。)となると、東大不合格だった場合、早慶もしくは地元の私立大学という選択肢になります。早慶進学となると、下宿代だけでなく私立の学費も必要になってきます。かといって、地元の私立大学では、早慶に比べて就職活動ではかなり不利になり、東大合格可能性があったぐらいの実力を持つ生徒が進学するには躊躇するのも事実です。
 このリスクを考えると、東大合格圏ボーダーの受験生にとって、東大不合格のリスクを取るよりも、京大や地元旧帝大を受験するほうが懸命な選択になります。東大合格可能性があるのですから、京大でも大半の学部で合格圏ですし、地元旧帝大ではまず不合格になることはないでしょう。研究設備や就職活動面でも東大や早慶に引けをとりません。しかも、地元旧帝大だと、転居の必要もありませんから、経済的にも有利です。
 一方、首都圏の受験生にとっては、東大であろうが早慶であろうが、転居の必要はありません。東大不合格のリスクは、私立大学と国立大学の授業料の差だけです。確かに、早慶は東大に比べて研究設備や就職活動面で若干不利ですが、それは国家公務員一種や大学教授のような職業ぐらいで、他の職業ではほとんど差はありません。となると、東大合格圏ボーダー層でも多くが東大を受験し、少なからず、この層からの東大合格者も存在するようになります。
 単純に東大合格者数だけでも、首都圏と地方では意味合いが違ってきます。

  • 首都圏の東大受験者:東大合格有望層+東大合格圏ボーダー層
  • 地方の東大受験者:東大合格有望層のみ

 このように地方に非常に不利な指標でも、首都圏の進学校と互角の数値を出している進学校があるわけで、前回の順位表では70校のうち20校も存在しています。一度評価してみるのも価値があると思いました。