東大相当率の読み方 - 旧帝大以外の国医の扱い

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※この記事は4月19日に書いています。5月9日更新しました。

 この時期、大学合格発表からひと段落して、週刊誌でも医学部特集をしています。私自身は、旧帝大早慶の合格数だけで、高校の進学力は測定可能だと今でも思っています。医学部の進学力は、旧帝大早慶の合格数と強い相関関係があり、別段、医学部合格数を収集して指標に組み込む労力の割には新しい知見は少ないという印象です。ただ、このご時勢、そうは言っても、自分で実際に数値を収集しないことには、説得力に欠けるので、今年から医学科(医学部でない)も指標に組み込むことにしました。
 問題は対象大学です。週刊誌の特集で全部の国公立大学を集計しています。医師国家試験に合格するにはどこの大学でも条件は一緒です。だから、本当に医師を志望している受験生にとって大切なのは国公立大医学部への合格数で、内訳はそれほど重要でないでしょう。
 ただ、高校の進学力という意味では、この扱いには疑問点が残ります。東大理三、旧帝大医学部、それ以外の医学部は合格難易度が非常に異なります。多くの週刊誌では東大京大の理系と同格という扱いにしています。旧帝大以外の医学部を、便宜上ローカル国医と呼びます。ローカル国医は地元の地域医療を支えるために、地元出身者を優遇します。AOや推薦では、どうしても地元高校の受験者が有利になります。だから、ローカル国医がはいっている指標では、地方の高校が実力以上に上位に来てしまいます。合格数資料の収集難易度は脇に置いても、この特性により東大相当率に組み込むことに違和感を感じていました。
 そこで、今回、試しに比較的資料の入手しやすい旧帝大医学科のみに限定して集計してみました。さすがに、このレベルの医学科になると、学力に応じた選抜が主流になるようで、特定に高校に偏らずに、全国から優秀な受験生を集めていることがわかりました。同じ国医といっても、旧帝大医学科とローカル国医は分けて考える必要があります。
 ローカル国医には、東京医科歯科大、千葉大、神戸大、広島大など、旧帝大に匹敵する難易度の医学科もあります。本当に毎回ボーダーの扱いに苦労するのですが、ボーダーは、指標に致命的な毀損が生じない限り守るべきだと思います。でないと、新しいボーダーが別の毀損を引き起こし、いつまでたってもボーダーが確定しないからです。今のところ、医学科の対象大学は、旧帝大のみで問題ないようです。