東大相当率の読み方 - 医歯大の扱い

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※この記事は4月18日に書いています。5月9日更新しました。

 旧帝大の医学科を評価指標に加えたのなら、どうしても、旧帝大と同等もしくは、地方帝大よりも難易度の高い東京医科歯科大も評価指標に加えたくなります。もともと旧帝大調整率は、旧帝大の合格数に大学ごとに加重係数を設定することで、地域間の大学志望傾向の差異を吸収した指標になるという仮定のもとに設定されました。
 最初に見つかった問題点は、首都圏の場合、東大合格の可能性が低いと、合格可能性の高い他の旧帝大を志望するのではなく、早慶を選ぶことが多いので、東大の合格者が数名以下の進学校の場合、旧帝大調整率が加算されず、指標の精度が上がらないという点です。この場合、早慶の合格数を指標に加えることで解決しました。
 早慶は東大と併願可能な大学であり、合格数と進学数は大きく乖離するので、他の旧帝大と親和性を持たせる工夫が必要になってきます。そのために、考え出されたのが、「早慶調整率」になります。
 同様に、旧帝大医学科だけの合格数だと、指標と実態が掛けはなれた場合に医歯大の採用を検討する予定でしたが、過去五年間を整理してみたところ、医歯大に5名以上合格する学校、すなわち、東大率ではそれこそ全国上位10校に入るような学校では、若干不利になりますが、東大理3の合格数も多いので、それほど実態とかけ離れた評価にはならず、医歯大3名未満だと、医歯大の合格数を対象にしようがしまいが、全体の評価にたいした影響はありませんでした。旧帝大という枠組みを維持するために医歯大は指標に加えないことにしました。
 余談ですが、医歯大を指標に加えることで、首都圏の学校が一番メリットを受けますが、そもそも、首都圏住民は医学科の合格数にあまり関心をもっていません。塾の配布資料も東大と早慶の合格数が中心です。首都圏では、東大と早慶の合格数が多い学校が優秀な生徒が集まった学校で、その学校に入れば、医学科も十分目指せるという暗黙の了解があります。したがって、苦労してまで医学科の進学数を集計したりしません。その必要性が高くないからです。また、首都圏住民にとって、地方高校との比較自体に関心ありません。そして、首都圏内での比較では、東大早慶だけ扱っていれば十分です。
 結局、医歯大を加えて、一番メリットを受ける首都圏住民が、比較指標として医歯大の合格数に強い関心を持っていないのですから、医歯大の数値は参考数値として集計していきますが、今のところ指標に加えていません。