七帝大、一工、早慶の相関係数 - 国立大学医学部との相関(2014/09/01への補足)

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※この記事は9月14日に書いています。

東大 京大 阪大 名大 東北 九大 北大 七帝計 指標X
国医 0.432 0.329 0.182 0.063 -0.086 0.052 0.072 0.427 0.479

 そもそもこの連載を始めた目的が、2014年9月1日*1に掲載した鬱飲屋躁介さん*2に対するコメントへの補足でした。
 一工と早慶は予測されたことですが、他の旧帝大間の関係とは全く異質の強い相関係数(0.7以上)が存在していることから、どちらかの数値を採用すれば、一方の数値は合格力の指標としては省略可能ということです。では、なぜ、一工ではなく、早慶なのかという疑問点ですが、首都圏では一工と早慶をどのように捕らえているかも含めて、日を改めて別記事として説明させていただきます。
 次に国立大学医学部(以下国医)をなぜ省略しているかへの回答です。最大の理由は時系列的に安定した資料が得られないという理由です。これは今でも変わっていません。私は性分的に東大でも京大でも一人合格校まで把握しないと、資料価値が劣るとみなしています。実際、都道府県ごとの旧帝大志望動向などは、一人合格校の資料があって初めて可能になるからです。都立高校の盛衰でも一人合格校の資料がないと完全な分析ができません。
 一人合格校というのはIT用語では「ロングテール」といわれる存在で、東大合格者数に占める割合は、大半の年で開成のそれを上回ります。一人合格校を無視して東大合格者数の動向を語るのは、開成を無視して東大合格者数の動向を語るのと同じ意味なのです。
 その意味で一人合格校を完璧に把握できない国医の資料は扱いづらいのです。国医の合格数を指標に入れても、その指標が入手できるのは上位校だけで、上位校をエコ贔屓することになるからです。現時点での資料入手難易度では、中堅校まで公平に扱うには国医は保留するしかありません。
 前置きが長くなってしまいましたが、だからと言って、国医の分析を全くやっていないわけではありません。まず、国医と最も相関が高い大学は東大(0.432)で、次が京大(0.329)です。国医合格者を多数輩出する高校はそれだけ優秀な生徒が多数いるのですから、東大京大合格者も当然多くなります。残念ながら、他の旧帝大では相関関係があません。面白いことに東大、京大の個別大学だけでなく、七帝大の合計(0.427)も相関係数が高くなります。そして、最も相関係数の高い最後の『指標X』(0.479)こそ、『東大+京大÷2+阪大÷3+名大÷4+東北÷5+九大÷6+北大÷7』なのです。七帝大率の分子の部分です。
 私だって、高々0.5弱程度で、相関が高いので国医を無視できるなんて思いませんが、七帝大率が国医と全く相関がないわけではありません。この指標は、東大や京大、七帝大計よりも、相関係数が高い指標になっています。そして、現状で考えられるなかで、国医と最も相関係数が高い指標なのです。