都立2014 - 日比谷が静かに成し遂げた46年ぶりの快挙

スマホで表を見る場合、画面を横向きにし、必要ならPCビューにしてください。

 今年、日比谷は実に1968年以来、46年ぶりに東大合格者数で公立トップ校を獲得しました。当時は、都立全盛期で、学校群移行過渡期でした。灘高校に東大合格者数全国1位の地位を明け渡したものの、全国2位で、学校群がなければ、不動の公立トップ校の地位を続けていたでしょう。
 その後、日比谷は3校で学校群を組んだこともあり、当時ライバルの西や戸山が2校で学校群を組んでいたのと比べて不利で、優秀層から敬遠され、急速に東大合格者数を減らし、学校群の後期には二桁合格もできないような状況でした。西や戸山は学校群導入以後も公立トップ校争いに加わりましたが、日比谷はそのような状況ではありませんでした。
 日比谷の転換点は2001年の重点校指定でした。といっても、2005年に東大14名で、二桁合格を達成するまで、実に4年間、高校の全生徒が入れ替わり更に1年間の期間が必要でした。衝撃は2007年に訪れました。東大28名合格で39年ぶりに都立首位の地位を獲得しました。公立高校としては、全国、首都圏ともに2位の地位です(首位は浦和で33名)。また、学校群後に、急速に成長したいくつかの私立男子校の実績を上回ったことも都立復活の象徴となりました。
 次の衝撃はその3年後、2010年に来ました。東大37名で、これは42年ぶりの首都圏首位です。全国首位は岡崎41名です。日比谷は重点校指定時の東大3名から、わずか9年間で37名に増やし、首都圏首位になり、全国首位まであと4名にまで迫りました。
 この時点で、衝撃慣れしてしまったのか、日比谷がその後東大30名前後の合格者数を出しても、頭打ちの評論が出るばかりです。そして、2014年ですが、日比谷は重点校指定後最多タイの37名の東大合格者数を出しました。最多タイであることから、頭打ちの評論から変化はありません。
 同じ首都圏の公立高校では、その前の2年間に東大40名以上の合格者を出して、堂々の公立首位校、しかも久々の公立による全国10傑入りまであと一歩と迫った浦和のほうが話題でした。その浦和が、今年40名を割り、また、日比谷はあくまでも最多タイの37名であることから衝撃もなく、話題にもならず、静かに46年ぶりの公立トップ校奪還となりました。
 静かに奪還というのは象徴的です。日比谷が公立トップであるのは、わざわざニュースで取り上げることではなく、当たり前のことになったということでしょう。次は当たり前のように全国10位入りを果たすことになるでしょう。