トロイの木馬が発動するとき

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 以前から、私は、都立中高一貫校は、中学受験に送り込んだトロイの木馬と言ってきました。ところが、過去記事を検索したら、トロイの木馬はという言葉はあまり使われていませんでした。他者のブログのコメント欄に書くときに、使っていましたが、このブログで正式に触れていなかったようです。

  • 中学受験の最大の問題点ってなんだと思いますか?

 いろいろな指摘があると思いますが、私は、一度始めたら抜けられない構造になっているのが、中学受験の最大の問題点だと思います。例えば、「意中の中学があるので合格させるために塾に通わせているが、不合格の場合は、公立中に通わせる」などと発言しようものなら、周囲から袋叩きに合います。

  • 中学受験をさせたのに、どこにも通わせないなんて子供が傷つく
  • 公立中に行くと高校受験が必須なので、3年後、また受験勉強が必要になる
  • 公立中は内申書やいじめなどの問題で、勉強以外に煩わしいことが多い
  • 等々

 確かに嘘ではありませんが、そんなもの各家庭の教育方針であり他人がどうこういう問題ではないでしょ。今の大手塾がやろうとしていることは、ブランド物の服を買いにデパートにきた客に、ブランド物の服が購入条件に合わないので、買わずに帰ろうとすると、何でも良いから買ってください、でないと、あなたは人でなしですよと脅迫しているようなものです。
 一度、大手塾の門をくぐれば、劣悪な製品でも売りつけられるんですから、そりゃ、一部の私立一貫校に自助努力が働かなくなり、6年間漫然と集金だけ行う私立一貫校が増えるのも当然のことでしょう。
 そこに緊張感をもたらしたのが都立一貫校の参入です。都立一貫校の受検モデルは、私立中が経済的に難しい家庭に、多少なりとも一貫校教育の門戸を開くためのものです。その前提から、不合格の場合は、自ずと公立中に進むことになります。実際、知り合いの何人かは、都立一貫校だけで受検して、不合格だっ場合に、公立中に進みました。
 それが一般的になれば家計事情云々の問題だけでなく、行きたくもない一貫校に行かせるよりも公立中で十分という風潮が広がります。中受ピークを過ぎた今、データ的にもそれが証明されつつあります。中学受験界の門を一度くぐったら、大手塾+私立中高一貫校の9年間、外部から情報を遮断し、保護者には自分たちのコースが最高と信じさせて、ひたすら集金を行う仕組みが瓦解するわけです。