七帝大率ランキング2013 - 1位〜10位

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 七帝大率ランキングの連載は、全国を北から南まで行脚する形を取る予定ですが、その前に順位表に基づいて著名な高校を解説して、この指標の性質と有効範囲を見極めるほうがいいと思いました。今回から、しばらくは七帝大率ランキングの上位校を解説していきます。

  • 左から、順位、校名、都道府県の略称、卒数(下二桁は[x]でマスク)、東大率、京大率、阪大率、名大率、東北率、九大率、北大率、七帝大率
  • △印は国立、○印は私立男子校、●印は私立女子校、◎印は私立共学校、無印は公立校
  • 資料の統一性のため4月1日発売の週刊朝日の数値を採用、ただし東大だけは4月8日発売のサンデー毎日の数値を採用
校名 TH 七帝大
1 筑波大駒場 1xx 63.2 1.8 0.6 0.6 64.37%
2 ○灘 2xx 46.9 18.3 6.2 0.9 0.9 0.9 0.4 58.72%
3 ○開成 3xx 42.6 42.61%
4 栄光学園 1xx 28.0 3.8 0.5 1.6 0.5 2.2 30.74%
5 東大寺学園 2xx 10.8 31.5 8.1 0.5 1.4 1.8 29.87%
6 桜蔭 2xx 28.4 1.3 1.3 0.4 2.2 29.73%
7 ○麻布 3xx 26.5 3.2 0.3 0.3 1.6 1.0 1.3 29.01%
8 聖光学院 2xx 27.4 2.2 1.8 0.4 28.96%
9 駒場東邦 2xx 24.8 1.3 2.5 1.7 26.16%
10 甲陽学院 2xx 5.5 25.5 13.0 0.5 2.0 1.5 2.5 23.72%

 まず、上位10校です。東京都5校、神奈川県2校、兵庫県2校、奈良県1校の構成です。首都圏7校、関西圏3校です。
 筑波駒場は、圧倒的な東大の合格者数により、東大早慶合格率の首都圏1位とともに七帝大率でも全国1位になりました。2位は灘です。しかも、東大、京大以外の旧帝大の合格数はほとんどが医学部です。
 筑波駒場と灘の頂上対決は熱い話題になりますが、両者とも唯一無二の存在であることには違いありません。しかし、私立のように自由競争で空席ができるとすぐに次の候補がその空席を埋められるのとは違い、国立大学付属の筑波駒場は公的機関が維持管理する必要があります。模範たるトップ校は、国公立の機関が英知をもって維持していくべきです。多くの都道府県で革新知事たちが、競争社会の諸悪の根源として公立トップ校を潰してきました。その結果、模範となるトップ校を失った地区は、横並びで教育水準を下げていくことになります。
 筑波駒場が何かすごい教育をしているかといわれれば、それは否でしょう。唯一、優れた英才を選抜試験で集めているという一点だけです。教育者が凡才(失礼!)でも優れた同年代の英才を集めるだけで、全国トップの高校ができるというのが意味があります。同年代の自主的な切磋琢磨こそ本来の教育です。一方、灘は正統派の私立進学校です。最難関の選抜試験に優れた講師陣、私立進学校の究極形態と言えるでしょう。
 3位は、開成です。開成の場合、この指標の集計時点では東大以外の旧帝大の合格数は公表されていませんでした。それでも圧倒的な東大合格者数により、この数値を出しています。ただ、完全な数値があったとしても上位の2校に及ぶことはなく、少し溝があるという印象です。
 4位から8位までは1.84%差の間に5校がひしめく大接戦です。他に下位でも合格している大学が異なるにも関わらず、それぞれの地区で同じような位置づけ学校が、似たような数値に収束することが多いのもこの指標の特徴です。4位は栄光学園で神奈川県のトップ校です。8位の聖光学園と並んで評価されます。しかし、全国的な展開では栄光学園のほうがトップ校として一日の長があります。5位は、奈良県東大寺学園です。京大、阪大の圧倒的合格数からみて、この位置で競う資格はあります。(関西の人はもっと上だと思うでしょうが。) 6位は紅一点の桜蔭です。桜蔭も東大以外の合格者数はほとんどが医学部と思っていいでしょう。7位は麻布で常に上位の位置している高校です。首都圏にありながら、京大に二桁合格をしているのもこの学校の底力です。9位に駒場東邦、10位に甲陽学院という順位になります。
 この順位は1988年、東大京大ダブル受験のときと構成が非常に似ています当時も関西の高校が3校ランクインしました。また上位10校は全て別学校で、9校が男子校、1校が女子校です。