トップ校の交代 - 全都学区時代に伸びた公立高校

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 今回は、全都学区時代にどのような高校が伸びたが分析したいと思います。東京都の教育行政は周辺県を巻き込むほどのインパクトがありますから、周辺県も含めて分析します。
 まず、一都四県の公立高校合計の東大合格者数の推移を一次回帰分析します。2014年を基点として、2006年までマイナス方向にさかのぼります。「y = b + a(x - 2014)」 の式では、a が一年毎の平均的伸び、b が2014年の予測合格数です。

都県 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 '13 y = '14年予測+伸び(x-2014)
茨城県 36 49 41 35 31 47 40 33 y = 36.21-0.62(x-2014)
千葉県 38 38 39 36 33 38 43 42 y = 40.89+0.56(x-2014)
埼玉県 39 49 59 71 61 58 78 76 y = 82.32+4.65(x-2014)
東京都 74 89 74 65 90 99 105 140 y = 126.39+7.64(x-2014)
神奈川 45 42 30 38 44 37 49 42 y = 43.07+0.49(x-2014)

 東京都は2003年に学区を廃止、埼玉県は2004年、神奈川県は2005年です。その3年後に学区撤廃効果が現れますが、東京都と埼玉県は急激に公立復権が進みましたが神奈川県は効果が出ていません。
 次に、この8年間で二桁合格を達成した公立高校に絞って伸びを見てみます

都県 校名 '06 '07 '08 '09 '10 '11 '12 '13 y = '14年予測+伸び(x-2014)
埼玉県 浦和 16 33 33 36 29 30 40 46 y = 45.14+2.73(x-2014)
東京都 日比谷 12 28 13 16 37 29 30 29 y = 34.86+2.36(x-2014)
東京都 西 19 16 28 15 20 29 24 34 y = 31.32+1.82(x-2014)
神奈川 横浜翠嵐 5 4 9 14 10 9 11 17 y = 16.04+1.37(x-2014)
東京都 都国立 9 16 5 13 14 13 15 22 y = 19.32+1.32(x-2014)
埼玉県 大宮 8 7 6 6 16 16 17 11 y = 16.82+1.32(x-2014)
神奈川 湘南 9 11 8 8 11 10 21 14 y = 16.54+1.12(x-2014)
東京都 戸山 6 3 4 5 3 7 10 10 y = 9.75+0.83(x-2014)
千葉県 千葉 23 20 19 27 22 19 31 25 y = 26.68+0.76(x-2014)
埼玉県 川越 2 3 6 10 5 6 5 4 y = 6.14+0.23(x-2014)
茨城県 土浦第一 21 28 26 16 24 29 22 24 y = 24.18+0.10(x-2014)
茨城県 水戸第一 8 16 10 15 6 14 15 6 y = 10.39-0.19(x-2014)
東京都 八王子東 10 16 7 7 8 7 5 9 y = 5.35-0.73(x-2014)

 浦和と日比谷が抜きんでて伸びています。東京都では西、都国立、戸山が高い伸びを示しています。埼玉県では大宮が同様に伸びています。これは雁行現象と呼ばれます。神奈川県では、横浜翠嵐と湘南が毎年1名以上の伸びなので学区撤廃効果は確かにあるようです。ただ、雁行現象は起きず、特定校集中状態です。千葉は緩やかに伸びています。茨城県の2校はほとんど変化がなく、川越と八王子東は立地的に学区撤廃で守勢に回っています。