※この記事は4月9日発売のサンデー毎日の情報に基づいて書いています。
まず、閉鎖通学圏分析では2012年のフェリスの東大合格数(12名)を除いています。これは、2013年現時点で、フェリスの合格数が公開されていないためです。12名という数字は閉鎖通学圏では1%近い差異になりますので、フェリスの数字は2012年も2013年も除いて分析します。
まず、都県区分別の東大合格者数です。前年よりも24名増えました。首都圏全体としては変動が少ない年かもしれません。
都県・区分 | 2012 | 割合 | 2013 | 割合 | 増減 |
---|---|---|---|---|---|
茨城・公立 | 40 | 2.44% | 33 | 1.99% | ▼0.46% |
茨城・私立 | 19 | 1.16% | 25 | 1.51% | △0.34% |
千葉・公立 | 43 | 2.63% | 42 | 2.53% | ▼0.10% |
千葉・私立 | 77 | 4.70% | 89 | 5.36% | △0.65% |
埼玉・公立 | 78 | 4.76% | 76 | 4.58% | ▼0.19% |
埼玉・私立 | 36 | 2.20% | 39 | 2.35% | △0.15% |
東京・公立 | 105 | 6.41% | 140 | 8.43% | △2.01% |
東京・私立 | 960 | 58.64% | 962 | 57.92% | ▼0.73% |
神奈川・公立 | 49 | 2.99% | 45 | 2.71% | ▼0.28% |
神奈川・私立 | 230 | 14.05% | 210 | 12.64% | ▼1.41% |
合計 | 1637 | 1661 |
都県区分別では、何と言っても、都立の伸張が目につきます。前年よりも2%占有率をあげました。茨城県、千葉県、埼玉県は、傾向が似ていて、私立が占有率を上げ、公立が占有率を落としました。その中でも目立つのは千葉私立の好調と茨城公立の不振です。
今回、一番、ポイントを落としたのは、神奈川私立です。東京は国立勢が好調だったので、私立の落ち込みはそれほど大きくありませんが、私立単独だと大幅に占有率を下げています。
区分 | 増減 | 茨公 | 茨私 | 千公 | 千私 | 埼公 | 埼私 | 東公 | 東私 | 神公 | 神私 |
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茨公 | ▼0.46 | \ | -0.46 | ||||||||
茨私 | △0.34 | 0.46 | \ | -0.12 | |||||||
千公 | ▼0.10 | \ | -0.10 | ||||||||
千私 | △0.65 | 0.12 | 0.10 | \ | 0.43 | ||||||
埼公 | ▼0.19 | \ | -0.19 | ||||||||
埼私 | △0.15 | 0.19 | \ | -0.04 | |||||||
東公 | △2.01 | \ | 2.01 | ||||||||
東私 | ▼0.73 | -0.43 | 0.04 | -2.01 | \ | 1.67 | |||||
神公 | ▼0.28 | \ | -0.28 | ||||||||
神私 | ▼1.41 | -1.67 | 0.28 | \ |
今年の閉鎖通学圏分析は複雑です。例年ならば大幅に伸びている都県区分は、万遍なく周辺から流入して、減らしている都県区分は、万遍なく周辺に流出している傾向があったのですが、今年は、大幅な流入と流出が同時に行われている例もありました。このように不自然な動きをするのは、自然通学圏と人工通学圏の不一致が見られるときです。その不一致をたらすのは学区がある公立高校に他なりません。やはり、都立の大躍進が、歪な流れの原因になりました。
次回からは、「東京公立」、「茨城・千葉・埼玉、各私立」、「茨城・千葉・埼玉・神奈川、各公立」、「東京、神奈川、各私立」の順番で見ていきたいと思います。