東大二桁合格校列伝 - 前半終了:真の高校閥

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※この記事は11月10日に書いています。

 前回、週刊誌による官庁局長級出身高校別ランキングは茶番だといいましたが、実は、その表にこそ別の高校閥の真実が隠されているのです。具体的な高校名は失念したというよりあえて隠しますが、当時の東大合格者割合に対して、局長に占める地方公立校出身者の割合が高いのです。まさに真実はここに隠れています。
 地方の高校入試の実情を知っていますか。地方には高校の選択肢はありません。典型的な例は、普通校2校か3校、商業高校、工業高校、そして、どこの公立高校も内申書で受け入れてくれない不良を受け入れる私立高校。もちろん、地区トップの公立普通校で残念な結果になった優秀な生徒も特進コースとして受け入れていますが、それだけでは経営が成り立たず、経営を成り立たせる人数を確保するために、偏差値が底抜けです。
 問題はホワイトカラーを育成する普通高校が数校しかないことです。しかも内申書によって綺麗に輪切りされてしまいます。二番手校から難関大学に合格することはまず不可能です。となると、市役所の主要ポスト、学校の主要ポストは地区トップ校の出身者が全て占めてしまうのです。それどころが、地元の弁護士、会計士、建築士、医師まですべて地区トップ校の出身です。当然、市長も助役も地区トップ校が独占します。これだけ独占すると排他の原理が働きます。「〇〇高校出身にあらざればエリートにあらず」です。
 1968年ごろまでは、大学進学率は高くなく、地区トップ校のなかで優秀でも高卒で就職したり、大学に進学しても最寄の国立大に行き、卒業後Uターン就職するのは珍しくありませんでした。となると、地元の人が、人物を判断する基準は、どの大学を出たかではなく、どの高校を出たかが重要になるのです。今だって、地方営業所のトップには、その地方の公立トップ校出身者を回せという話があるくらいです。そうすれば信用してもらえると、。
 要するに今の局長級に地方公立高校出身者の割合が高いのは、若いころに出身地担当になったときに、公共事業などで、めざましい成果を挙げやすい環境があったからでしょう。
 1970年代に、学校群、総合選抜制度で地区トップ校叩きが住民から受け入れられたのは、こういう背景もあったわけです。地方では高校閥を緩和するための必要悪もあったのでしょうが、高校閥が存在しなかった首都圏でやる必要があったのかは疑問です。