誕生日当てクイズと早慶合格数

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 6月21日のコメント欄に読者の方から女子校ランキングの評価をしてほしいとの書き込みがありました。最近、更新が遅れ気味で一時期は一ヶ月以上も日記が遅れていましたが、ようやく新シリーズの『東大二桁合格校列伝』も軌道に乗り、現実に追いつくことができました。コメントの日時に現実の日時が追いつたので、女子校ランキングをまとめてみます。

 まずこの依頼はインターエデュに以下のスレッドに関連しています。

 私は前々から高校の進学実績を統一した指標で評価したいと思っていました。それがこのブログの看板指標である東大早慶合格率です。難関校向けの指標、中堅校向けの指標、男子校向けの指標、女子校向けの指標、公立高校向けの指標とか、いろいろ提唱されていますが、対象を細分化すると、結局は我田引水の不可思議な指標になってしまいます。
 ところで、地方の高校を含めた全ての高校を公平な指標で評価するのは不可能です。首都圏の人から見ると、格下に思える旧帝国大学はその地方の人にとっては格別の価値を持っており、その地方では旧帝大の合格数がそのままトップ校の評価になります。企業の担当者にとっても旧帝大の評価は高く、地方で就職説明会を行うのも旧帝大の優秀な学生を獲得するためです。なぜこのようなギャップがあるかというと、以下のような式が成り立つからです。

 ということで、仕送り代の要素は大きく、評価指標は首都圏に限定したほうが単純になります。逆に全国を対象にした評価指標はできません。雑誌の特集も最近はその愚に気付いたらしく、地方ごと分けて進学校を評価する記事が増えました。
 次に首都圏限定にすると、東大合格者数は、上位20校を除くと年度によるばらつきが大きく、とても統計的に有意な数にはなりません。統計的に毎年有意な数を得られるのが早慶合格数です。
 さて、表題の『誕生日当てクイズ』ですが、誕生日にある数を足したり掛けたりして複雑な計算を行ったあと、その数値が誕生日のヒントになるというクイズです。ネットで検索すると、様々な例題が見つかるでしょう。進学校の評価をするときに各大学の合格数や進学数を変数にして、複雑な計算式から評価を決める試みがありますが、誕生日当てクイズに似ているような気がします。結局、早慶合格数と大差ないのです。

  • 1. 早慶よりも東大一工旧帝(東大、一橋大、東工大旧帝大)の数で評価すべきだ。
    • → それらの大学に合格する人は、早慶を併願して合格している。
  • 2. 東大一工旧帝と早慶の進学数で評価すべきだ。
    • → 東大一工旧帝に進学する人は早慶に合格しているし、早慶に進学する人はそれ以外なのだから、早慶の合格数と大差ない。
  • 3. 国立大学の医学部が必要
    • → 国立大学医学部を受験する人は慶大医学部を併願する例が多い。また、家計の都合や難易度で、慶大医学部が選択肢にならない人は慶大薬学部を併願する。
  • 4. 早慶は同一大学部内で複数合格できる
    • 早慶で複数合格をもらう人は、難易度を分けて出願している。したがって、複数合格がある場合は難関学部が含まれる。難関学部合格者の重みが増すので実態に近い。

 1〜3までの項目は早慶合格数そのものですし、4はある意味で難関学部合格者へのボーナスポイントでもあります。では、試しに早慶合格率順に首都圏の女子校を並べてみましょう。

校名 卒数 早慶
1 女子学院 222 163 71 105.41%
2 フェリス 181 109 70 98.90%
3 慶應女子 185 0 180 97.30%
4 雙葉 182 102 56 86.81%
5 桜蔭 239 138 68 86.19%
6 頌栄 219 100 66 75.80%
7 豊島岡 368 260 99 70.38%
8 横浜雙葉 179 79 41 67.04%
9 横浜共立 183 78 42 65.57%
10 白百合 174 69 43 64.37%

 そこそこ妥当な順位になりました。ところが、東大合格者数女子校首位の桜蔭が過少評価されている気もしますし、豊島岡もちょっと順位的に下のような気がします。その理由は東大合格者数の扱いです。ただ、東大合格総数は3000人程度で、慶大9000人、早大18000人に比べると数が少なすぎます。同じ重みでは適正な評価になりません。合格総数から見て、東大:慶大:早大を1:1/3:1/6にするのが妥当でしょう。次回の記事では、『高校の実力』の数値を用いた女子校限定の最新東大早慶合格率を紹介します。