2012年の合格発表情報も出揃い、そろそろ個別分析に入ります。2012年は東大のローカル化が問題になりました。そのローカル化が首都圏受験生の学力向上によるのか、地方受験生の地元志向によるのかは分かりませんが、事実としてローカル化は進んでいます。それとは別に首都圏内部では熾烈な勢力争いがあるのも事実です。
とにかく、マスコミは学校ごとのスポット分析が好きです。そのほうが校長にインタビューができて記事が作りやすいのでしょう。ただ、エリア分析をしないと本当のことは見えてきません。以下の表は各区分ごとの東大合格者数と首都圏における割合です。
都県・区分 | 2011 | 割合 | 2012 | 割合 | 増減 |
---|---|---|---|---|---|
茨城・公立 | 47 | 2.99% | 40 | 2.44% | -0.55% |
茨城・私立 | 20 | 1.27% | 19 | 1.16% | -0.11% |
千葉・公立 | 38 | 2.42% | 43 | 2.63% | 0.21% |
千葉・私立 | 50 | 3.18% | 77 | 4.71% | 1.52% |
埼玉・公立 | 58 | 3.69% | 77 | 4.71% | 1.01% |
埼玉・私立 | 46 | 2.93% | 36 | 2.20% | -0.73% |
東京・公立 | 99 | 6.31% | 105 | 6.42% | 0.11% |
東京・私立 | 950 | 60.51% | 958 | 58.56% | -1.95% |
神奈川・公立 | 37 | 2.36% | 49 | 3.00% | 0.64% |
神奈川・私立 | 225 | 14.33% | 232 | 14.18% | -0.15% |
合計 | 1570 | 1636 |
首都圏の合格者数では1570名から1636名と66名増加しました。東大の募集人員に変化はないので、合格者数における首都圏の全国比は高まっています。内部で見ると東京都私立(国立を含む)が一番占有率を下げています。今年は、東大合格数首位の私立高校が大台超えとかマスコミは騒ぎますが、コップの中の争いだったことが見て取れます。
比率を一番高めているのが千葉県私立、そして埼玉県公立と神奈川県公立が0.5%以上占有率を上げています。東京都公立、千葉公立も占有率を上げました。一方、千葉県を除いた私立勢はどこも占有率を下げました。
区分 | 増減 | 茨公 | 茨私 | 千公 | 千私 | 埼公 | 埼私 | 東公 | 東私 | 神公 | 神私 |
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茨公 | -0.55 | -0.55 | |||||||||
茨私 | -0.11 | -0.11 | |||||||||
千公 | 0.21 | 0.21 | |||||||||
千私 | 1.52 | 0.55 | 0.11 | 0.86 | |||||||
埼公 | 1.01 | 0.73 | 0.28 | ||||||||
埼私 | -0.73 | -0.73 | |||||||||
東公 | 0.11 | 0.11 | |||||||||
東私 | -1.95 | -0.21 | -0.86 | -0.28 | -0.11 | -0.49 | |||||
神公 | 0.64 | 0.49 | 0.15 | ||||||||
神私 | -0.15 | -0.15 |
上記の表は、それぞれの区分内の移動です。詳細は次回以降の記事で解説していきます。