※この記事は3月19日発売のサンデー毎日の情報に基づいて書いています。
意外と噂では公立勢は東大後期入試でもそこそこ健闘しているようです。昨日の記事では、公立勢は後期での上積みは難しいのではないかと書きましたが、そうとも言えなくなりました。ただ、来週の週刊誌発売までは、憶測に惑わされず、現状の情報を元に記事を書きます。
2011年の最終確定値と2012年の前期暫定値の公立高校からの東大合格数を紹介します。前期暫定値にも関わらず、首都圏全体では東大合格数を伸ばしています。茨城は不振、東京都は既に前年度水準、そして、埼玉、千葉、神奈川の各県は前年を上回っています。
都県 | 2011確定 | 2012前期 | 差 |
---|---|---|---|
茨城 | 47 | 39 | ▼8 |
埼玉 | 58 | 72 | △14 |
千葉 | 38 | 41 | △3 |
東京 | 99 | 98 | ▼1 |
神奈川 | 36 | 46 | △10 |
合計 | 278 | 296 | △18 |
全体の傾向分析で重要なのは全ての数字を拾うことです。特定の学校だけに注目して好不調を言っても意味がありません。得に、受験情報誌が使う常套手段は、特定の私立一貫校に注目して躍進と記事を書きます。次の年には、また別の私立一貫校に注目して躍進と記事を書きます。どの年でも、躍進したり好調な実績を残したりする学校はあるものです。その影には、不振に陥る学校も同じ数だけあります。ところが、漫然と記事を読んでいると、「私立一貫校は毎年躍進している。そのうち難関大学の合格者はすべて私立一貫校に独占されてしまうに違いない。やはり、中学受験をして私立一貫校にいれなければならない。」という錯覚に陥ります。実は、週刊誌はそう思わせるために記事を書いています。そして、なぜそんな記事を書くかといえば、大学合格実績欄の下の余白に広告費を払ってもらうためです。
だから、このブログでは広告費を払う勢力に都合のいい情報でなく、全体を網羅した情報を乗せるように心がけています。
補足(2012/03/25)
ネットで後期合格の情報も断片的に出てきたので表を更新しておきます。本文の説を補強する資料になります。
都県 | 2011確定 | 2012前後 | 差 |
---|---|---|---|
茨城 | 47 | 40 | ▼7 |
埼玉 | 58 | 77 | △19 |
千葉 | 38 | 43 | △5 |
東京 | 99 | 105 | △6 |
神奈川 | 36 | 49 | △13 |
合計 | 278 | 314 | △36 |