※この記事は3月12日発売のサンデー毎日の情報に基づいて書いています。
今回は東京都内の種別分析をします。
種別 | 2011 | 2012 | 前年比 |
---|---|---|---|
都立一貫 | 5 | 10 | 200.0% |
都立 | 94 | 80 | 85.1% |
私立 | 833 | 766 | 92.0% |
国立 | 200 | 76 | 38.0% |
世間一般では、開成の躍進が話題になって、いかにも東大合格者数が私立一貫校に独占されつつあると書き立てます。中には私立一貫校の独占を防止するために地域クォーター制を採用しろとまで息巻く評論家もいます。
しかし数字を分析すればそんなことはありません。開成の躍進は単純に私立というコップのなかのゼロサム状態です。不振の私立も多数あります。また、何かと限界説の対象になる都立ですが、都立一貫は、判明校だけでも前年比で倍増しています。単独校だとボリュームが少ないので、都立一貫は失敗だと騒ぐひとがいますが、全体を見ない議論です。
このブログでは、個々の高校よりも全体を見ることも重視します。結局、進学校の伸張は、地域、種別の枠組みでまず傾向が現れ、個々の進学校の伸張は同一地域・種別の中での勢力争いに過ぎないからです。だから、開成が伸びたから、小石川が不振だったという主張はまったく意味がなく、それなら、開成の影で不振に陥った同じ私立校がどこだったかを見極めるべきでしょう。