中学受験2012 導入

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 そろそろ2012年度の中学受験が本格化してきました。受験史の研究を一旦ここで締めて、進学校の動向分析を始めたいと思います。このブログで言及している学校選びの三大要素に従って分析します。三大要素とは距離、進学実績、学費の3つです。距離は大切な要素です。いくら魅力的な学校でも通学に2時間も掛かるような学校では、体力的に辛いものがあります。そして、進学実績です。進学校が提供する教育は多岐にわたりますが、共通しているのは、大学進学まで面倒を見るということです。
 そして、学費は重要です。学校が完璧な教育をしてくれるのなら、持てる資金をすべて学費に投入してもいいのですが、学校は集団教育の場である都合上、学校がすべての生徒の要求を満たすのは不可能です。不幸にも学校の教育で不足した部分があった場合、お子さんを救うための選択肢の一つとして、外部に良きアドバイザーを求めることになります。当然、無料でというわけにはいかないので教育費の余裕は学費以外に確保しておく必要があります。
 今後、表に従って東大早慶合格率を2%を超える学校を毎日2校ずつ100校程度紹介していきますが、凡例を毎回紹介するのは冗長になるので、ここで説明しておきます。

年度 卒数
2009 279 0 8 5 1.08% 45.7 47 46 44
2010 237 0 17 7 2.18% 47.7 49 47 47
2011 258 0 19 6 2.00% 49.3 50 50 48
2012 51.3 54 51 50 50
2017 52.8 54 53 53 51

 東京都市大学付属の紹介です。まず、男子校、女子校、共学校の種別と都県名を紹介します。学費にはA〜Fランクまでつけました。出展は四谷大塚の中学入試案内です。具体的な金額はそちらを参照してください。

  • A+:国公立校
  • A:格安、三年間200万円〜225万円
  • B:割安、三年間225万円〜250万円
  • C:標準、三年間250万円〜275万円
  • D:割高、三年間275万円〜300万円
  • E:高額、三年間300万円〜350万円
  • F:検討、三年間350万円以上

 標準Cを基準として格安Aから割高Dまではそれほど神経質になる差ではありませんが、高額E以上のランクの学校は、第一志望で行く予定があれば別ですが、第二志望以下で行く状況になった場合、本当に納得できるのか併願戦略で検討しておく必要があります。また、Fランクについては、安易に偏差値だけで志望するのは避けるべきです。富裕層向けの学校や大学附属校が主流で、各家庭のライフプランに合わなければ、親子共々ストレスの溜まる6年間になると思います。
 次に、年度、卒数、東、早、慶、率、偏差値の欄があります。東は東大現役、早は早大現役、慶は慶大現役の合格数です。率は、東大早慶合格率でこのブログの看板指標です。学校はこの指標の降順で紹介します。

  • 東大早慶合格率={東大合格数+(早大合格数÷6)+(慶大合格数÷3)}÷卒数

 この数値は、該当校に難関大学、学部に合格できる生徒がどの程度の割合存在しているかを近似する指標です。
 偏差値の欄は、一番左が、平均偏差値、その次からは、募集日毎の偏差値を大きいものから並べたものです。単日募集校の場合1日しかありません。多いものでは募集日が延べ7日ある学校もあります。
 2009年から2011年までは過去の実績です。偏差値は該当年度の卒業生が入学したときの偏差値です。該当年度から6を引いてください。そして、2012年は今年度の実績を占う偏差値です。また、2017年はちょうど前年度の入学者が卒業する年度です。偏差値と実績は緩い相関関係しかないので、あくまでも参考値です。前年度の実績でも卒業生の入学時偏差値が高くなくても、難関大学に多数の合格者を出した学校が多くありますから、学校の教育成果で偏差値と実績が逆転することも珍しくありません。
 また、共学校の場合、偏差値は男子のものを用いています。多くの学校で男女は同枠で募集されるので、女子の偏差値は男子に2か3を加えてものを目安にしてください。男女の偏差値に違いがあるのは、四谷大塚が歴史的事情から男子と女子を別の母集団として偏差値を算定しているからです。成蹊や早稲田実業や国立大附属校のように男女を別枠で募集する場合は、男女の偏差値差は単純に計算できませんが、詳細は調べてください。また、慶応中等部とお茶の水女子大附属の偏差値だけは例外的に女子のものを採用しています。これは、合格実績を出す系列高校が慶応女子とお茶の水女子高校とそれぞれ女子校になるからです。