「教えてやる!東大は『開成より』簡単だ!!」

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ドラゴン桜(1) (モーニング KC) 「教えてやる!
 東大は『開成より』簡単だ!!」

 一都四県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)で開成に中学受験で入学できるのは300人、東大に大学受験で入学できるのは1500人です。だから、東大は『開成より』簡単です。こう書くと狐につままれたような感じがしますが事実です。
 なぜ、こんなことを書いたかというと、多くの保護者が中学受験で『開成』を目標に必死になっているのに、大学受験になると『東大』どころか、受験科目数が少ない大学を狙ったり、さらに推薦や附属校で大学受験から逃避する保護者が多いからです。12歳と18歳とでは親が子供に対して出来ることは違うし、18歳の子供は自我が確立しているので干渉できないという理由がありますが、それなら、12歳の子供に対してももっと自主性に任せても良いような気がします。募集人員では開成のほうが東大より狭き門ですから、保護者の願望で無理強いするのは残酷です。
 私は、総分母で比較することが公平な指標だと思いますが、中には、受験人口や性別を加味しないと不公平だという反論もあると思うので、深く掘り下げてみます。

  • 一都四県18歳人口: 313412人
  • 中学受験人口:62682人(中学受験率20%と仮定)
    • 開成合格率:62628÷300=208人に1人
  • 大学受験人口:188047人(大学受験率60%と仮定)
    • 東大合格率:188047÷1500=125人に1人

 受験人口に対しても開成のほうが狭き門です。しかし、女子は入れないのだから半分にしろという意見があります。ところが、中学受験人口や東大合格者数の男女比は50対50ではなく、かなり偏りがあるので、ここでは、女子最難関である桜蔭の募集人員数を含めるのが一番公平でしょう。

    • 開成桜蔭合格率:62628÷(300+240)=115人に1人
    • 東大合格率:188047÷1500=125人に1人

 ようやく両者が拮抗してきました。
 何かこうかくと、開成は東大より狭き門なのだから、企業の人事担当者は高校の学歴だけで潜在力を認めて採用してくれると、妙な期待をする保護者が出てきますが、そういう発想は止めてください。中学受験を終えた段階では、英単語も方程式も全く知らないのが建前です。難易度の高い中学に入れたからといって、その後の努力がなければ有望な社会人として受け入れてもらえません。
 個人的に不思議に思うのが、12歳の子供に過度の期待をするのに、18歳の子供には楽をさせたい親が多いことです。本来なら逆で、12歳の子供には結果を求めず勉強が苦痛にならない範囲に留め、18歳の子供にはもっと厳しく期待してあげてもいいと思います。部下を鍛えるように、期待が伝わらないと人間は伸びません。また、12歳の子供にとって、どこの私立中に入ろうが最難関の大学を目指せるカリキュラムは受けられます。中学受験は、結果を求める苦行ではなく、学問の楽しさを身につける場にして欲しいですね。