偏差値操作について 2 - 奇問珍問

スマホで表を見る場合、画面を横向きにし、必要ならPCビューにしてください。

 奇問珍問といっても本当にそういう問題が出るわけではありません。ただ、模試と傾向の違う問題を出す学校は良くあります。その場合、番狂わせが増えてきて、高偏差値層で不合格が増え、低偏差値層が合格が増える例が出てきます。そうなると、ロジスティック曲線の傾きが通常(図1)より緩くなります(図2)。80%合格圏偏差値が高位変移を起こし、実際より偏差値が過大評価されてしまいます。

図1、通常の傾き 図2、緩い傾き

 実例として上げられるのは、国立大附属校です。まず、合格平均点が高いのが特徴です。模試の場合、受験者の平均点が60%になるように難易度を調整する場合が多く、その場合、最上位層でも実力で点数に開きがでますが、国立大附属校の場合、受験者の平均点が80%になり、最上位層が実力で差がつかず、思わぬ失点で不合格になります。また、調査書や実技試験もあり、番狂わせの要因が増えます。当然、ロジスティック関数の傾きが緩くなり、80%合格権偏差値が高位変移を起こし、過大評価されてしまいます。国立大附属校でなくとも、面接を重視する学校も同様に不確定要因を持っています。
 他には、関西からの冷やかし受験生をはじくために、社会の郷土問題で差をつける例もあります。この場合も、高偏差値の受験生が不合格になりやすく、偏差値が高位変移を起こします。ただし、配点、対象人数を考えると、それほど顕著な差はでません。
 これらは偏差値操作を意図したものでなくて、各校とも独自の募集方針があって行っていることなので、悪質な例は今のところ見つかっていません。逆に意図して奇問珍問を出しても、結果的に優秀な受験生を取りこぼすことになり、学校側から見てもいいことはありません。また、過去問集という証拠も残ってしまいます。