偏差値操作について 1 - 導入

スマホで表を見る場合、画面を横向きにし、必要ならPCビューにしてください。

 このブログを始めたきっかけとして、偏差値操作の実証データを提示して問題のある学校を指摘するという目的がありました。ただ、人間、そんなに負のエネルギーは長続きせず、実証データを集めるのも相当の労力が必要なので、いつの間にか忘れていました。それよりも、注目度が低いにもかかわらず、優れた大学合格実績を出している学校に脚光を当てる作業のほうが楽しいものです。
 ただ、コメント欄で偏差値が話題になったのと偏差値操作の理論化は出来ていますので、忘れないうちに文書化しておきたいと思います。のちのち役立つときもあるでしょう。実証データを集めて特定の学校を批判するのは、非生産的なので今のところはやる気はありません。
 まず、模試の偏差値と結果偏差値については次のページを参考にしてください。

 難しい数式が並んでいるので、理解する必要はありませんが、数学的に厳密に値が決まります。模試の偏差値とは、模試の全受験者の平均点と標準偏差を出して、そこから個人の偏差値がきまります(図1)。

図1、正規分布曲線

 結果偏差値とは、その学校の受験者を偏差値ごとに分け、それぞれの合格率を計算し、それをロジスティック曲線で近似し、80%合格偏差値、50%合格偏差値を算出します(図2)。下図では、0.8が80%合格偏差値、0.5が50%合格偏差値になります。また、0.2から0.8の間は直線で近似できるので、エクセル等でも簡単に検証可能です。

図2、ロジスティック曲線の例

 当然、この値を直接変更するような操作は言語道断です。四谷大塚の結果偏差値は、結果グラフ*1まで公開しているので、そのような露骨な操作は行わないと思います。しかし、当該校が意図せずとも不思議な偏差値の変動が起きるのです、以下に紹介する3つのパターンに分けられます。

  • 奇問珍問による結果偏差値の高位変移
  • 複数日募集による結果偏差値の高位変移
  • 併願推奨による予想偏差値の高位変移

 次回から1つずつ説明していきます。