国公立大学医学部の偏差値と合格者数

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 国公立大学医学部と東大理系の偏差値と合格者数を比較してみます。出展は『高校の実力』2011年度版です。また偏差値は駿台模試60%合格圏の偏差値です。良くブレンド指標で国公立大学医学部と東大の合格者数を合計した数で高校の評価をする特集があります。私は通学圏が異なる高校の比較など邪道だと思っていますので、ブログでも首都圏の高校しか比較しません。そもそも三大都市圏を除けば、高校の比較すら無意味です。寄宿舎制高校を除いて、地方では私立高校は進学校だけでは経営的になりたちません。したがって、地区トップ校は公立高校になりますが、公立高校の場合、教育行政が意図的に狙い撃ちにしないかぎり、明治時代からの名門は今でも不動の地位です。わざわざ週刊誌の特集記事を買ってまで、子供の志望校で悩む必要もありません。

偏差値 校名 合格者数
76 東京大学 100
73 京都大学 110
71 大阪大学 101
69 名古屋大学 111
69 東京医科歯科大学 103
68 東北大学 125
68 九州大学 111
67 千葉大学 120
66 京都府立医科大学 107
65 北海道大学 102
65 神戸大学 105
64 横浜市立大学 90
64 大阪市立大学 92
64 岡山大学 115
64 広島大学 117
63 筑波大学 111
63 金沢大学 112
63 山梨大学 125
63 熊本大学 116
小計(偏差値63以上) 2073
偏差値 校名 合格者数
62 札幌医科大学 110
62 群馬大学 108
62 新潟大学 121
62 名古屋市立大学 95
62 奈良県立医科大学 114
62 長崎大学 116
61 旭川医科大学 112
61 岐阜大学 108
61 三重大学 125
61 滋賀医科大学 100
61 和歌山県立医科大学 102
61 徳島大学 114
60 富山大学 106
60 浜松医科大学 118
60 山口大学 107
60 鹿児島大学 107
59 弘前大学 105
59 山形大学 125
59 福井大学 110
59 信州大学 115
59 鳥取大学 79
59 佐賀大学 105
59 大分大学 100
58 秋田大学 122
58 福島県立医科大学 124
58 香川大学 107
58 愛媛大学 107
58 琉球大学 110
57 島根大学 102
57 高知大学 110
57 宮崎大学 114
合計 5471
偏差値 校名 合格者数
64 東京大学理科一類 1128
63 東京大学理科二類 548
合計 1676

 ここでは、防衛医科大学校は受験日も授業料の制度も違い、卒業後の制約も違いますので、東大との比較では除外しました。
 さて、国公立大学医学部ですが、合格者の合計は5471名と、東大の理一、理二の合計1676名と比較して3倍以上います。首都圏で国公立大学医学部に合格すると近所でも評判になりますが、全国的に見るとやはり東大理系のほうが希少価値です。東大文系を含めても3000名余りですから、東大のほうが依然希少価値です。
 思えば、地方特に関西地方より西では、医学部と東大との葛藤はありません。理由は、医者になりたいと思えば、少し勉強すれば医学部に合格できるからです。東大に合格するほうがはるかに難易度が高いのですから、本当に医者が目的なら、そこまで猛勉強はしませんし、猛勉強できる人は、学問自体が好きなのですから、大学教授や研究機関に就職できる可能性が広がる東大を選ぶものです。
 次に、駿台模試で東大理二と難易度が並ぶ医学部以上に限定すると、合格者数の合計は2073名です。これは東大全体の3000名余りよりは狭き門ですが、それでも、東大理系1676名よりは広き門です。だから、東大合格圏の生徒が医学部を志望したために、今年は東大の合格者数が減ったとまでは言い訳できますが、東大+国医の合計合格者数が減った場合は、言い訳できません。明らかに上位層のレベルが落ちたことを意味します。