今回から各大学の合格率の相関関係を見ていきます。まず、「合格率」という用語を定義します。合格率というと受験者数に占める合格者数の割合という意味合いもありますが、このブログでは「合格率=合格者数÷卒業生数」と定義します。合格者数を現役に限定できればいいのですが、残念ながら時系列で多くの高校を対象にするには現役だけの資料は入手しづらく、ここでは、現浪を合わせた数字を使います。あくまでも多くの標本から傾向を探り出すのが本筋ですから、各校の現役率の違いや卒業生数の年度変動は長期的には誤差の吸収可能な条件として無視します。
W大学 | X大学 | Y大学 | Z大学 |
---|---|---|---|
90%-99% | |||
80%-89% | |||
70%-79% | ######## | #### | |
60%-69% | ######## | ###### | # |
50%-59% | ####### | ######## | # |
40%-49% | ###### | ######## | ## |
30%-39% | ##### | ####### | ### |
20%-29% | #### | ###### | #### |
10%-19% | ### | ##### | ##### |
00%-09% | ## | #### | ##### |
W大学とX大学は比較的難易度の似た大学です。W大学合格率の高い高校とX大学合格率の高い高校とは正の相関関係があります。次に、W大学とY大学ですが、若干受験層が異なり、W大学合格率の高い高校ではY大学を併願大学として受験する機会が少なくなります。W大学合格率が中程度の高校で受験機会が増え、合格率が上昇し、それ以後は正の相関関係になります。最後のケースは、W大学とZ大学では受験層が大きく異なる場合です。W大学合格率の高くない高校ほど、Z大学を受験して合格率が高くなります。
さて、上記の場合を近似するには、1次直線では不十分です。2次曲線で近似することになります。3次曲線や指数曲線を使う方法もありますが、解の公式が存在して、左右の項が求まる2次曲線近似が一番扱いやすいでしょう。
- W = a1・X^2 + b1・X + c1
- W = a2・Y^2 + b2・Y + c2
- W = a3・Z^2 + b3・Z + c3
上記のan,bn,cnを求めて、東大早慶MARCHの相関関係を見てみます。