バトルフィールド埼玉2011 - 完結編 - 2/3

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 さて、同じ私立一貫校の土俵では、参入の遅れた私立が、一度確立した独占を覆すのは不可能です。これは、恐竜が滅びなければ、哺乳類が勢力を拡大できなかったこと、鳥類が昼の大空を支配していることで、コウモリは夜や洞窟でしか行動できないことと同じです。この状態に変化をもたらしたのが、私立一貫校独占に危機感を持った東京都と埼玉県の教育行政です。理由は、私立一貫校の独占で公立中が荒廃し、保護者の所得による教育格差が顕著になりはじめたからです。これは社会を停滞させる凶兆です。

 東京都は、2001年に進学指導重点校、2003年に都立高校の学区廃止、2005年に都立中高一貫校を始めました。埼玉県も2004年に県立高校の学区を廃止しました。これにより公教育で優秀層を難関大学まで進める仕組みがはじまります。
 ただ、経済力による教育格差は緩和しはじめたのですが、一部では、居住地や情報アクセスによる教育格差も出始めています。とにかく経済力の格差を封じ込めるのが急務だったので、この問題は事態が落ち着いてから検討するのがよいでしょう。
 私は、早くからこの動きに注目していました。都立の教育改革の影響が東京都内だけでなく周辺県に及ぶのが必然だからです。