埼玉私立一貫校、開智ショック

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 先日、白鴎ショックについて言及しましたが、開智ショックにも言及する必要があるでしょう。開智は、前身が埼玉第一高校という私立高校でしたが、埼玉の教育行政の都合上、開智学園が埼玉第一高校の施設を買い取って設立した中高一貫校です。設立したのが1997年度、その一期生が卒業した2003年度に東大合格者2名を出しています。その後は一桁の合格数を続けていたのですが、今年度の9期生で東大合格者17名を出して、いきなり関係者に衝撃を与えました。

校名 一期生卒業 初二桁 期間
渋谷渋谷 2002年 2007年 6年
渋谷幕張 1992年 1998年 7年
開智 2003年 2011年 9年
公文国際 1999年 2008年 10年
栄東 1998年 2009年 12年

 上記の表は著名新設一貫校の初二桁合格までの期間を並べています。渋谷幕張の実績のおかげで優秀な生徒集めが可能だった渋谷渋谷は6年目で二桁合格を達成しましたが、他は7年目以後での二桁合格です。特に、開智と公文国際は完全中高一貫校としてのスタートだったので、1期生の実績が出るまでに6年間かかり、その翌年の入学生は8期生になります。(開智はその後、埼玉第一高校を開智高等部に改称して高校募集にも参入しました。)高入生の実績がない学校の場合、早くても初二桁は8年目から13年目になります。これも運が良い場合で、多くの新設校がこの期間に二桁合格を達成できずに中堅私立として評価が固定し、躍進の機会を失ってしまいます。

2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
1位 6 文理 9 開智 11 栄東 6 栄東 17 開智
2位 3 開智 5 共栄 7 開智 6 文理 12 栄東
3位 3 共栄 4 栄東 7 文理 4 開智 4 明星
私立計 20 28 30 28 43
県内計 69 87 101 89 97

上記の表は埼玉私学過去の5年間の合格者数の推移です。今年度は特別に好調で、次年度に揺り戻しが来る可能性はありますが、埼玉私立勢は確実に伸びています。この数字を見て埼玉県が公立王国と言えなくなってきました。また、都内私立一貫校にとっても、白鴎ショック(都立一貫校)と開智ショック(埼玉一貫校)という強力なライバル出現により、都内中堅私立は進学校として生き残り戦略を立て直す必要性が出てきました。