- [1] バトルフィールド埼玉
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もともと、この地域には進学を重視した私立中高一貫校はありませんでした。そこに1980年代後半からお受験ブームが始まったので、この地域からの受験増によって、都内の私立中の難易度が急激に上がりました。それが1990年代です。ようやく埼玉県内でも私立中高一貫校の新設がはじまりました。しかし、10年のギャップと、募集から卒業まで6年かかることで、20年近くも都内私立の草刈場になっていたわけです。
- 埼玉県主要中高一貫校新設年↓
校名 | 所在地 | 新設年 | 卒業年 |
---|---|---|---|
栄東 | さいたま市見沼区 | 1992 | 1998 |
城西川越 | 川越市 | 1992 | 1998 |
西武学園文理 | 狭山市 | 1993 | 1999 |
開智 | さいたま市岩槻区 | 1997 | 2003 |
立教新座 | 新座市 | 2000 | 2006 |
城北埼玉 | 川越市 | 2002 | 2008 |
浦和明の星 | さいたま市緑区 | 2003 | 2009 |
春日部共栄 | 春日部市 | 2003 | 2009 |
淑徳与野 | さいたま市中央区 | 2005 | 2011 |
1990年代に4つの私立校が中学募集に進出しました。興味深いことに4校ともすべてバトルフィールドの北限に位置しているのです。地価が安く校舎を確保しやすかったことも理由ですが、バトルフィールドの中央部に進出しても都内の私立中と勝負できないと読んだのでしょう。進出時期と進出場所が良かったのか、このうち3校が現在の埼玉私学の合格実績を引っ張っている状況です。その後、2000年代に、今度はバトルフィールドの中心部で中学募集への進出が始まりました。そのうち二つは進学指導に熱心でないからこそ、独自性を見せる男子校と女子校です。他の学校は、進学実績を出して間もないので、評価の段階にありません。
- 一貫生の卒業生が出てからの、3校(栄東、西武文理、開智)の東大合格者数合計、ただし、高入生の数値も含む↓
年度 | 実際値◎ | 回帰値● | 略図 |
---|---|---|---|
1998 | 0 | 3.4 | ◎●□□□□□□□□ |
1999 | 4 | 4.6 | □◎□□□□□□□□ |
2000 | 8 | 5.8 | □□●◎□□□□□□ |
2001 | 11 | 7.0 | □□●□◎□□□□□ |
2002 | 9 | 8.3 | □□□◎□□□□□□ |
2003 | 10 | 9.5 | □□□●◎□□□□□ |
2004 | 8 | 10.7 | □□□◎●□□□□□ |
2005 | 12 | 11.9 | □□□□●◎□□□□ |
2006 | 14 | 13.1 | □□□□□◎□□□□ |
2007 | 10 | 14.3 | □□□□◎●□□□□ |
2008 | 15 | 15.5 | □□□□□□◎□□□ |
2009 | 24 | 16.8 | □□□□□□●□□◎ |
2010 | 14 | 18.0 | □□□□□◎□●□□ |
2010年度は前年度好調の反動で不振年だったようですが、この期間中に最大値では、栄東11名、開智9名、西武文理7名と確実に中堅私立の足場を固めつつあります。