七帝一工調整率2019 - はじめに

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※この記事の作成日は4月30日です。

 このブログを始めたときは、首都圏の進学校限定でした。首都圏では、東大早慶に注目することで進学校の評価がほぼ決まります。評価方法は、単純合計ではなく各大学の総合格数の比を加重係数に用い、ほぼ納得できる順位でした。

  • 東大早慶合格率=(東大+早大÷6+慶大÷3)÷卒数

 あるとき、週刊ダイヤモンドの記事が話題になりました。

 週刊誌は週刊誌なりの方針があるのでしょうが、順位表は世間的な実感と大幅に掛け離れているものでした。そこで、このブログでも全国の順位表を作ったのが七帝調整率(七帝大率)です。

  • 七帝調整率=(東大+京大÷2+阪大÷3+名大÷4+東北÷5+九大÷6+北大÷7)÷卒数

 加重係数の理論根拠は指標定義2016*1を参照してください。この七帝大率は比較的実感と近い順位表になったものの、首都圏の中堅進学校が順位表からごっそりと抜けている状態でした。これは東大の難易度が高すぎて、中堅進学校から統計上有意な合格数を確保できないからです。
 そこで、旧帝大以外にも何らかの大学を評価要素に加える必要があるのですが、首都圏の場合、早慶か一工になります。旧帝大と親和性が高いのは、同じ国立大学である一工ですが、首都圏進学校の評価に早慶を使っているのに全国になると一工に変えるのは一貫性がありません。そこで、東大早慶合格率の改良版として考えられたのが東大早慶調整率で、それを東大と置き換えたものを指標として採用しています。

  • 東大早慶調整率=最大(東大、平均(東大、早大÷6、慶大÷3))÷卒数
  • 早慶調整率=東大早慶調整率-東大÷卒数
  • 七帝早慶調整率=七帝調整率+早慶調整率

 この指標は、理論的背景があり、早慶の指標が過大評価されないように設定されています。どちらかというとある順位帯では早慶が過小評価されている気もします。
 その後、旧帝医等を加えて指標を拡張*2した時期もありましたが、資料収集の手間と加重係数の複雑化を招き、しかも指標の結果は七帝早慶調整率から大きく代わり映えがしませんでした。特に加重係数の複雑化は深刻で、旧帝大以外の大学医学部まで対象にすると、募集定員による近似理論では対応できず、偏差値による出現率を元に複雑な計算を行う必要があります。

 その後、複雑化した指標を元の必要最小限の七帝早慶調整率に一本化しました。いくつかの指標があったのですが、その中で、一工を使った指標は近似理論で対応可能なので、今年は、この指標に注目してみます。

  • 一工調整率=(一橋÷2+東工÷3)÷卒数
  • 七帝一工調整率=七帝調整率+一工調整率