※この記事の投稿日は8月27日です。
一昨年に始めた連載ですが、推定モデルが出来ているので、2016年も東大理一、理二で、東大理三の合格最低点を上回った受験者数を今年も推定してみます。
標準 | 合格者 | 左の | 合格者 | 左の | 理三 | 左の | 理三 | |
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偏差 | 最低点 | 偏差値 | 平均点 | 偏差値 | 最低点 | 偏差値 | 合格数 | |
理一2016 | 40.1 | 329 | 52.2 | 358 | 59.4 | 389 | 67.2 | 118.4 |
理二2016 | 42.7 | 315 | 55.3 | 336 | 61.7 | 389 | 72.7 | 21.7 |
理三2016 | 44.8 | 389 | 56.5 | 416 | 62.5 | 389 | 56.5 | 98.0 |
理一、理二、理三の標準偏差は、それぞれ、40.1, 42.7, 44.8 です。まず、それぞれの科類に合格するための、最低点とその偏差値を推定します。理一、理二、理三は、329(52.2), 315(55.3), 389(56.5)です。理三の合格最低点は389点です。理一、理二で、389点を取るために必要な偏差値を推定すると、67.2 と 72.7 です。正規分布表から各科類の受験者で該当偏差値を上回った人数を推定します。それぞれ、118名と 21名です。
理三 | 理一 | 理二 | 理三 | 理系 | 備考 | |
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最低点 | 理三級 | 理三級 | 合格数 | 理三級 | ||
2005 | 382 | 68 | 23 | 80 | 171 | 旧後期 |
2006 | 395 | 71 | 19 | 80 | 170 | ↓ |
2007 | 386 | 62 | 15 | 80 | 157 | ↓ |
2008 | 378 | 88 | 22 | 90 | 200 | 新後期 |
2009 | 380 | 110 | 44 | 98 | 252 | 定員増 |
2010 | 364 | 152 | 63 | 100 | 315 | ↓ |
2011 | 393 | 76 | 32 | 100 | 208 | ↓ |
2012 | 383 | 187 | 33 | 100 | 320 | ↓ |
2013 | 370 | 160 | 23 | 100 | 283 | ↓ |
2014 | 372 | 113 | 27 | 100 | 240 | ↓ |
2015 | 377 | 175 | 25 | 100 | 300 | ↓ |
2016 | 389 | 118 | 21 | 98 | 237 | 後期無 |
上記の表は、2005年から、理三合格最低点を上回った理一と理二の理三級合格者数を推定したものです。
2016年の最大の変化は、推薦入試の導入により後期試験が廃止になったことです。前期一発勝負になったことから、前期理三志望、後期理二志望の組み合わせが使えなくなったことです。また、推薦入試により推薦で2名合格者がいたため、前期の募集数は98人に減っています。医学部は推薦で3人まで合格者を出せるので、来年以降も97人から100人の間で募集数が変動します。
普通に考えると、後期廃止により、理三合格境界線層が安全策として最初から理二に回るので、結果的に、理三は易化すると思われましたが、逆に難化しました。たった2人減っただけで、統計的には大勢に影響がないはずですが、偶然にも2009年に募集数が98人だった年と非常に似たような数値になりました。今年も理一上位100人は、全員理三に合格する水準にあったようです。