進撃の公立一貫校 - 導入

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※この記事は4月4日に書いています。

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

 私立学校を存続するためには何が必要でしょうか。最低限必要なのは、生徒数です。生徒が来なければ、経営が成り立ちません。そして、その生徒を集めるために、私立学校は必死になって、学校の好感度を上げる努力をします。スポーツや芸術で全国的な大会で優秀な成績を上げて、知名度と好感度を高めます。大学合格実績を上げるのも一つの選択肢です。好感度が上がっていくと、さらにその分野に魅力を感じた優秀な生徒が集まり、正の循環が始まります。
 逆に不祥事が続くと、受験生がその学校を敬遠します。経営を維持するだけの生徒が集まらなくなります。経営を維持するには、どこの学校も受け入れてくれない問題児を引き受けたり、職員の削減したり、どうしても学校の士気が下がるような施策が必要になり、負の循環に陥ります。
 このように、私学の経営者は学校の方向性を決め、常にその方向に向けて正の循環が維持されるように不断の努力が必要になってきます。
 ところが、最近、その努力とは無縁の組織が中学校受験に参入してきました。とにかく相手は倒産しない、職員も結果に対する最終責任を取る必要がない、(もちろん、あまりにもふがいないと行政による廃校処分はあるでしょうが、私学と違い、それにより関係者が夜逃げするような事態にはなりません。)しかも、ほぼ無料に近い授業料で、在校生に教育サービスを提供することができます。
 まさに、進撃の巨人です。公立中高一貫校の設立が法律で認められてから、しばらくたちましたが、2015年は、巨人たちの進撃が顕在化した年になりました。各都県ごとに紹介したいと思います。